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電子ペーパーが“大学ノート”に 「大きいのに薄くて軽い」ソニーのA4サイズ端末

ソニーが開発中のA4サイズ電子ペーパー端末の試作機を公開。今秋から大学で実証実験を行い、今年度中の商品化を目指す。

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 ソニーが発表したA4サイズの電子ペーパー端末の試作機が、「教育ITソリューションEXPO」(5月15〜17日、東京ビッグサイト)に参考出展された。今秋から大学と連携した実証実験を行い、今年度中の商品化を目指す。一般向けの販売は現時点で予定していないという。

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 展示された端末は、フレキシブル電子ペーパー「E Ink Mobius」を採用し、プラスチック基板上に薄膜トランジスタ(TFT)を高精度に形成するソニー独自の技術を導入。A4サイズに相当する13.3インチ(1200×1600ピクセル)の大きさで、同社は「今までも電子書籍端末として電子ペーパーを用いた製品を開発していたが、学習用途に使用するにはA4の大きさが必要と考えた」と意図を説明する。

photo 表面はガラスではなく割れにくいプラスチックを採用。「ガツガツ書いてもらって大丈夫です」
photo 資料の閲覧だけでなくノート機能も。ペンでの入力もスムーズ

 サイズは233(幅)×310(高さ)×6.8(厚さ)ミリ、重さは358グラム。タッチパネルは光学式と電磁誘導方式を採用し、指によるタッチ操作のほか、付属のペンで文字を書くこともできる。無線LAN(IEEE 802.11b/g/n)に対応しており、サーバを介してファイルを共有するアプリケーションを用意する予定。簡単なWebブラウジングも端末上で行える。対応フォーマットはPDF(PDF1.7)で、microSDカードスロットとMicro USB端子を使ってPCとのデータのやりとりもできる。

 10月から早稲田大学、立命館大学、法政大学の講義で使用する実証実験を行う。「授業のプロセスを効率化するとともに学習効果を高めることを目的」とし、20人ほどの授業で試作機を学生と教師に配布する予定。講義に使う資料や小テストの共有、学生によるレポートの作成、教師への提出、などを端末上でサーバーを介して行う。

 今年度中に学校や教育機関向け端末として実用化を目指す。一般発売する計画はないが、「膨大な書類が必要な法律家や、論文などを読む機会の多い研究者などにも有用なものになるはず」と今後展開先を広げていくことも示唆している。

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