個人店に専用スマホアプリ、無料で制作「アプスタ」 初期費用ゼロで販促活用
個人店でも専用スマホアプリを初期費用0円で販促に活用できる新サービス「アプスタ」をキングジムとドリームネットが始めた。
キングジムとドリームネッツは5月31日、小規模店舗や個人飲食店向けに、店ごとのスマートフォンアプリを無料で制作するサービス「アプスタ」をスタートした。アプリ開発や登録などは無料とし、ダウンロード数などに応じた従量課金制を採用。初期導入費を抑え、個人店舗などでもスマートフォンアプリを販促に活用しやすくするのが狙いだ。
「アプスタ」は店舗独自のスマートフォン向けネイティブアプリ(iOS/Android)を制作するサービス。店舗の基本情報のほか、写真やクーポンを付けられる「ニュースレター」のプッシュ通知機能、来店やソーシャルメディアへのシェアでポイントがたまるスタンプ機能、登録された誕生日にメッセージを送る機能などを備える。
アプリの制作・デザインやアイコン制作、アプリストアへの申請・登録まで全て無料で代行。申し込みサイトから店舗名や住所、電話番号、営業時間などの基本情報と、アプリ名や紹介文などを登録するだけで約2週間(アプリストアへの申請期間で前後)で公開される。アイコンはテンプレートを利用しているが、有料でオリジナルデザインの制作(1万円から)も可能だ。
「PCに慣れてない人も多い個人店主にとって、アプリを独自開発するのは費用的にも工程的にも負担」(ドリームネッツの井上一成社長)と、初期費用0円でスマートフォンアプリを導入できるのが売り。アプリのダウンロード数が100件を超えると初回のみサーバー設定費として1万円、システム利用料として100件につき月額2000円が必要。さらにダウンロード数が増えると月額3万円(1001〜5000件)など、ダウンロード数に応じて課金額が増える従量制とした。
アプリ作成などを担当するドリームネッツの井上社長は、スマホアプリについて「顔見知りのお客さんとさらにつながってもらうためのツール」と説明。サービス立ち上げのきっかけは「行きつけの飲み屋のマスターとの会話」だったという。Facebookページのタイムラインでは内容が流れてしまいやすく、宣伝ばかり書くのも雰囲気にそぐわない──といった悩みを聞き、近所の人や常連客に直接届けるにはプッシュ通知も利用できるネイティブアプリが向くと考えたという。「きょう入荷した商品」「雨が降り始めたのでサービス」など、店の専用アプリの活用で地元密着型の集客促進を期待する。
キングジムとドリームネッツは、新サービスの開始に当たり資本提携(詳細は非公開)。キングジムは「自社製品の開発ノウハウを生かした、機能をそぎ落としわかりやすくシンプルなUIの提案」(キングジム開発本部・亀田登さん)や拡販の支援などに関わる。
キングジムの宮本彰社長は「アプリ0円のインパクトは強い。実現したらおもしろいと思った」という。同社の従来の商品・サービスの顧客に販促していくことは考えておらず、新規にユーザーを獲得する考え。初年度3000軒への導入を目指す。
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