Googleのラリー・ペイジCEOのPRISMに関する公式声明(全文訳)
GoogleやAppleなど米大手IT企業9社が、米連邦政府による極秘プログラム「PRISM」に参加し、NSAからのサーバへの直接アクセスを提供していたという報道について、ラリー・ペイジCEOが「What the ...?(何てこった)」と題する公式声明を発表した。
米Googleのラリー・ペイジCEOは6月7日(現地時間)、同社のCLO(最高法務責任者)のデビッド・ドラモンド氏との連名で、米連邦政府による極秘プログラム「PRISM」についての公式声明を発表した。タイトルは「What the ...?(何てこった)」となっている。
これは、米Washington Postが6日、米国家安全保障局(NSA)と米連邦捜査局(FBI)が、PRISMと名付けられた極秘プログラムを通じて「米国の9社の主要インターネット企業のセントラルサーバに直接アクセス」し、音声、動画、写真、電子メール、文書、接続履歴を含む膨大な量のデータを収集していると報じたことを受けたものだ。
同社は報道後すぐに広報担当者による声明を出したが、あらためてCEOの名前で公式ブログで説明した。この中でペイジCEOは、国民を守るために国家政府が行動を起こすことは必要ではあるが、現在の法的手続きに関する秘匿性のレベルは自由をむしばんでいると書いている。発表の全文訳を以下に掲載する。
なお、米Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOも同日、“個人の見解”として同様の声明をFacebookアカウントで投稿している。
親愛なるユーザーの皆さんへ
米国のインターネット企業が「PRISM」という米連邦政府の極秘プログラムに参加し、NSAが参加企業のサーバにアクセスできるようにしているという報道にお気付きでしょう。私たちはGoogleのCEOとCLO(最高法務責任者)として、あなたに真実を知ってもらいたいのです。
第一に、私たちは米国あるいは他国の政府にわれわれのサーバへの直接アクセスを提供するようないかなるプログラムにも参加していません。実際、米連邦政府はわれわれのデータセンターに保存している情報への直接アクセス、あるいは「バックドア」を持っていません。私たちは昨日までPRISMと呼ばれるプログラムについて聞いたこともありませんでした。
第二に、私たちが政府にユーザーデータを提供するのは、合法な場合だけです。Googleの法務部門は、すべての要請を精査し、その範囲が広過ぎる場合や正規の手続きを経ていない場合には高い頻度で抗しています。Googleがユーザーデータへの無制限なアクセスを提供しているという報道は断じて間違っています。今回の報道で、米Verizonに出されたという広範な命令──数百万人のユーザーの通話記録の提出命令とされている──について、初めて知りました。私たちは、このような大掛かりな命令が存在することを知って、非常に驚きました。Googleがユーザーのインターネットアクティビティに関する情報を、そのような規模で政府に提供しているという話は完全に間違っています。
最後に、このエピソードは私たちがずっと信じてきたことを裏付けています。それは、さらに透明なアプローチが必要とされているということです。私たちは現行法の範囲内で、Googleが受けたデータ開示要請についての透明性を保つよう努力してきました。Googleはそうした情報を、可能な限り「透明性レポート」で公開しています。Googleは、こうしたレポートを公開した最初の企業です。そしてもちろん、米連邦政府をはじめとする国家政府は、その国民の安全を守るために──時には調査という手段を使って──行動する必要があることも理解しています。しかし、現在の法的手続きに関する秘匿性のレベルは、私たちが大切にしている自由をむしばんでいます。
ラリー・ペイジCEO、デビッド・ドラモンドCLO
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