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「スマホ時代の考え方に変わり切れていなかった」 続発したKDDIのLTE通信障害、原因と対策は(2/2 ページ)
KDDIで相次いだLTE通信障害は、LTE基地局制御装置(MME)のバグが起因。同社は300億円の追加設備投資でMMEの増設などを進め、再発防止に努める。
「スマホ時代に合った考え方に変わり切れていなかった」
「スマートフォン時代に合った考え方に変わり切れていなかった」――田中社長はこう反省する。田中社長によると、3G時代との大きな違いは、常時接続であることと、通信が集中する「スパイク」が発生すること。「人は間違うし、トラフィックは“予定外”が起きる」。バグやオペレーションミスがあっても、安定運用できるような設計思想が必要と反省する。
フェールセーフの確立に向け、田中社長を本部長とする全社横断組織「LTE基盤強化対策本部」を新設。ソフト・ハードの品質向上や、運用品質の向上、スマートフォン時代に合った設計思想の確立を進める。
総額300億円を追加投資を行い、全国に19台あるMMEを58台に増設、2系統を3系統に冗長化するなど設備を増強。LTE監視要員も20人から42人に増員する。「ネットワークをつなげることが自分たち自身の存在価値。体制を作り、しっかり対策していきたい」
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