政治家・候補者サイトに認証マーク シマンテックと共同通信デジタル、なりすまし対策サービス
シマンテックと共同通信デジタルは、政治家・候補者のWebサイトやSNSアカウントを認証するサービスを開始する。
シマンテックは6月25日、来月実施の参院選からネット選挙運動が解禁されるのを前に、候補者のWebサイトやSNSアカウントに認証マークを付与し、不正アカウントによる被害を防止するなりすまし対策サービスを7月5日から提供すると発表した。個別のURLレベルで確認を行い、認証マークを表示する「日本初のサービス」という。
共同通信デジタルと協業し、同社が7月5日にオープンする政治情報サイト「THE OFFICIALS」と連携。(1)認証した政治家や候補者のWebサイトに「マイページトラストマーク」を付与するほか、(2)THE OFFICIALSに政治家や候補者のSNSアカウントなどを集約し、認証した政治家・候補者は「マイページトラストマーク」も表示することでSNSアカウントの真正性を保証する。
議員や候補者から申請を受け付け、URLや連絡先などを共同通信デジタルが第三者として直接連絡をとって調査。認証後、シマンテックのセキュリティ技術を利用した偽造されにくい認証マークを付与する。公式Webサイトやブログのほか、Twitter、Facebookなどのソーシャルメディアや、YouTube、ニコニコ動画などの動画サービスなどの認証にも対応する予定。具体的な価格やプランは現段階では未定。
SSLサーバ証明書による従来のなりすまし対策はドメイン単位の認証になるため、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアへの対応は難しかった。新サービスでは個別のURLレベルで確認を行い、認証マークを表示する「日本初のサービス」(シマンテック)という。
シマンテックとクロス・マーケティングの共同調査によると、インターネットを通じて候補者の情報を知る人は45.2%。テレビ、新聞に次ぐ情報源だが、閲覧したWebサイトからウイルスなどに感染することを心配する人も63.9%にのぼる。シマンテックの安達徹也SSLプロダクトマーケティング部上席部長は「認証マークの有無が有権者の安心感を左右する。ネット上の選挙運動が今後さらに盛んになることを見越し、政党単位だけでなく、候補者個人としても対策してもらいたい」と話す。
共同通信デジタルの伊地知晋一専務は「報道機関としての情報網も生かし、信頼できるデータベースを構築したい。今後は類似システムで経営者や芸能人などの横展開も考えられる」と話している。
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