電子書籍市場は1000億円突破へ──ストア乱立でユーザーは分散 ICT総研予測
ICT総研が発表した電子書籍コンテンツの需要予測によると、市場は順調に成長する一方、ストアが乱立して差別化できていない状態だという。
ICT総研は6月26日、電子書籍コンテンツの需要予測を発表した。2013年度の市場規模は1000億円を突破するものの、電子書籍ストアは乱立し、ユーザーが「どれか1つのサービスを選択する決定的な動機もない」と分析する。
12年度の729億円から13年度は1010億円に成長すると予測。タブレット端末の普及ペースが想定よりも早く、拡大ペースが加速すると見込む。
電子書籍閲覧端末の出荷台数は、iPadなどの10インチタブレットに加え、KindleやNexus 7など7インチモデルのラインナップが充実し、右肩上がりを予想。12年度は前年比1.8倍の549万台となった。13年度は712万台、15年度には1000万台を突破すると予測する。
ネットユーザー約1万2000人にアンケートしたところ、電子書籍ストアの利用率1位は楽天「kobo」(2.5%)でAmazon「Kindleストア」(2.1%)、Apple「iBookstore」(1.4%)が続いた。だが利用率1%以下の電子書籍ストアが大勢を占め、「乱立して利用者が分散」「書籍の取扱点数も十分でなく、ストアごとの専門性(強み)も分かりにくい」と指摘している。
電子書籍ストアの利用者に満足度を尋ねたところ、「honto」の75.3ポイント(100ポイント中)がトップで、続く「eBookjapan」と「DMM Books」が74.3ポイントとなった。12位までを見てもトップとの差は6ポイントと小さく「現在利用している電子書籍ストアに不満を持っているとまでは言えないが、どれか1つのサービスを選択する決定的な動機もない状態」と分析している。
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