政府公式・エヴァ風解説動画も──日本を世界に売り込む「クール・ジャパン法」とは?
日本のコンテンツやファッションを「クール・ジャパン」として積極的に海外に売り込む「株式会社海外需要開拓支援機構法」が公布された。「新世紀エヴァンゲリオン」風の公式解説動画も話題だ。
「株式会社海外需要開拓支援機構法」(クール ・ジャパン法)が前国会で成立し、6月19日に公布された。政府と民間が合同で出資する機構を設立し、海外事業への投資を積極的に進める内容で、経済産業省は「新世紀エヴァンゲリオン」風の解説動画を公開している。
海外の消費者に「"cool"と感じられている日本のもの・サービス」を「クール・ジャパン」と定め、積極的に売り込むことで日本の経済成長につなげていくのが狙い。具体的には(1)漫画、アニメなどのコンテンツ、(2)生活雑貨やB級グルメなど衣食住産業、(3)温泉施設や旅館、ブライダルなどのサービス、(3)地域産品、(4)ファッション──の4分野を挙げている。
今秋を目処に「株式会社海外需要開拓機構」(クール・ジャパン推進機構)を設立。まず政府が500億円を出資して株式の過半数以上を保有し、民間企業からも出資を募る。集まった資金でリスクの高い海外事業への投資を進め、「民間の自立的ビジネスを支援」することが目的だ。専門家からのアドバイスなども支援に盛り込まれる予定という。
同法を紹介するビデオを経産省がYouTubeに公開。ビデオはアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のパロディ映像で「クール・ジャパンとは?」を問いかけるところからスタート。茂木敏充経済産業大臣をデフォルメしたキャラクターや「実際に法案作成に携わった若手職員や現場の事業者」が登場し、法律の要旨や目的について解説している。
ネット上ではこのビデオについて反響が続々。「あまりにクールじゃ無さすぎて逆に驚いた」「クールジャパンというより、ガラパゴスジャパン」「“もてぎだいじん”かわいい」などの声が寄せられている。
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