Appleがプラスチック筐体のiPhoneを製造中──China Labor Watchの報告書
AppleのiPhoneを受託製造しているPegatronの中国工場では、プラスチック筐体の廉価版iPhoneを製造していると、労働権利団体が労働環境調査報告書で明らかにした。
「Appleは安いiPhoneを準備中だ」──。非営利の労働権利団体、China Labor Watch(CLW、中国労工観察)が発表した米Appleの中国受託工場における労働環境についての報告書はこのような1文で始まっている。
この報告書(PDF)は、米ニューヨークに拠点を置くCLWが、3月から7月にかけて、台湾Pegatron Groupの3つの中国工場における労働環境を調査した結果をまとめたものだ。
この中で、Pegatronの概要として、「同社はiPhone 4、iPhone 4S、iPhone 5と、低価格のプラスチック製iPhoneを組み立てている」と記述している他、28ページ目の労働者へのインタビュー(7月9日実施)で「今日の仕事は、組立ラインで筐体に傷がつかないように、iPhoneのプラスチックのバックカバーに保護フィルムを貼ることでした」とある。さらに「新しい端末はまだ大量生産はされていないので、量が問題なのではありません。でもこの作業でペースが遅くなっています」と書かれており、7月9日の時点では廉価版iPhoneはまだ本格的な製造には入っていないことが分かる。
Appleの廉価版iPhoneのうわさは何度も浮上しており、同社は一貫してこれを否定してきた。ティム・クックCEOは今年の2月にも、米Goldman Sachs主催のカンファレンスの講演で、Appleは常に高品質な製品の提供を目指しており、安価な端末のニーズには旧モデルを安く販売することで応えていると説明している。
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AppleがiPhoneの廉価版を開発しており、年内にも発売する可能性があるとWall Street Jourunalが伝えた。