「広く問題提起」──ドワンゴ「入社試験に受験料」発案の川上会長に聞く、その真意と“就活”観(4/5 ページ)
新卒採用に「受験料」を導入するドワンゴ。社内でも反対が多かったという試みについて、自ら発案したという川上量生会長にその背景や意図、過熱する就職活動をどう見ているかについて聞いた。
──「2ちゃんねる採用」「一芸才能」など通常と異なる採用はもうやらないのか
「2ちゃんねる採用」は「コミュニケーション能力が低くてもメンヘラでも優秀なら構わない」って打ち出してたんですけど、途中から「優秀じゃないけどメンヘラです」って人が来るようになっちゃったんですよ。「あれ、もしかしてこれは間違ったメッセージが伝わってるぞ?」って(笑)。欠点があっても実力がある人を採用するのは企業にとっても社会にとってもいいことだと思うんですが、伝え方が難しかった。
あと、実際に入社してから何か問題があって、どうしてもやめてもらうことになると「おかしなやつだとわかってとったんだから責任をとれ」みたいにネットで騒がれるんですよ。でも企業は福祉じゃないし、僕たちはチャンスを与えるだけで救済するわけじゃない。そこがもどかしかったですね。
全体として損得どっちだったか今となってはわからないですが、“優秀なダメ人間”を探す意義はあると思うのでこれからも何らかの形でトライしたいと思ってはいます。
──集まったお金は全額寄付というが、寄付先の候補は
奨学制度の基金に寄付しようと考えています。学生から集めたお金なので、お金を必要としている学生に還元したい。今回首都圏外の地方在住の学生は免除してますが、正直この程度じゃ全然埋め合わせできないですよね。もっと不公平です。
ひろゆき(西村博之さん)には“ネット民代表”として寄付先を発表前に決めておけと言われたんですが、ちょっと間に合わなかったです。日本ユニセフ協会……は僕たちの本意ではない部分で注目されそうなのでやめておきます(笑)。
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