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冬コミ脅迫状の投函直前に 「黒バス」事件の容疑者逮捕、ファンに安堵広がる 表現の自由の危うさに警戒も
「黒子のバスケ」をめぐる脅迫事件の容疑者が逮捕され、ファンからは「ようやくか」「長かった」と安堵の声が上がった。
漫画「黒子のバスケ」をめぐる脅迫事件の容疑者が逮捕された。昨年末のコミックマーケットで同作品関連サークルの参加を見合わせる異例の事態から1年。「ようやくか」「長かった」と、Twitterではファンから安堵の声が上がっていた。
警視庁が威力業務妨害の疑いで12月15日に逮捕したのは大阪市東成区の男(36)。昨年10月、同作品の作者・藤巻忠俊さんが在籍していた上智大学に硫化水素入りの容器や、「喪服の死神」を名乗る脅迫文を放置して大学の業務を妨害した疑いがもたれている。
男は東京・恵比寿でコミックマーケット準備会などに開催中止を求める脅迫文をポストに投函する直前、捜査員に路上で身柄を確保された。男は「ごめんなさい。負けました」などと容疑を認め、藤巻さんの作品がヒットしたことを「やっかんだ」などと供述しているという。
脅迫をめぐっては、同作品関連の同人誌イベントなどが相次いで中止に追い込まれたほか、作品を店頭から撤去する大手販売店もあった。
犯行の全容は明らかになっていないが、これまで辛酸をなめてきたファンからは喜びの声が上がっている。一方で、こうした手段を使えば1つの作品とそのファンを窮地に追い込むことができるという“前例”ができてしまったことに警戒感を新たにする人も多い。表現の自由が寄って立つ基盤の危うさを事件が浮き彫りにしている。
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