アニメ制作会社AICをアプリックスIPが売却 譲渡額8000円
アプリックスIPホールディングスは、連結子会社でアニメ制作を手がけるAICの全株式を三浦社長に売却した。同社は赤字が続いており、債務超過に陥っている。
アプリックスIPホールディングスは1月20日、連結子会社でアニメ制作を手がけるアニメインターナショナルカンパニー(AIC)の株式100%(8000株)を同社の三浦亨社長に売却したと発表した。譲渡額は8000円。
AICは「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」「幻影ヲ駆ケル太陽」などを手がけたアニメ制作会社。2010年にパチスロ機メーカーのオーイズミが子会社化し、翌年にアプリックス(当時)の傘下に入っていた。
モバイル向けソフト開発のアプリックスはAICをコンテンツサービスに活用する考えだったが、現在はM2M事業が拡大するなど事業方針が変化している上、「AICを取り巻く環境は厳しく業績回復が不透明」な状況。AICは2012年12月期、売上高約18億3000万円に対し約3億円の最終赤字を計上しており、3期連続の赤字で債務超過額が約6億6000万円に上っている。
三浦社長から「AICの目指す独自の方向性を維持したい」との意向があり、売却により負担を軽くしてM2M事業に集中することを決めたという。
ジー・モードも売却
アプリックスIPは、子会社のジー・モードも「ブラウザ三國志」の開発などを手がけるONE-UPに7億5000万円で売却する。
アプリックス(当時)は2009年にジー・モードを子会社化。ジー・モードの携帯電話向けゲーム事業を核に総合エンターテインメント事業の確立を目指したが、「グランディア」などを手がけたことでも知られるジー・モード創業者の宮路武氏が11年7月に急逝。他事業との相乗効果を生み出せず、同社を売却してM2M事業に集中する。
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