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“かわいい”がつなぐ日本と世界 2000万ユーザー突破、世界を席巻する着せ替えアプリ「CocoPPa」(1/3 ページ)

総ダウンロード数2000万突破、ユーザーの8割以上は海外から――大躍進を続けるスマホ向け着せ替えアプリ「CocoPPa」。ガラケー文化に端を発する「かわいいの楽園」が世界を席巻している。

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 総ダウンロード数2000万突破、ユーザーの8割以上は海外から、米国App Storeが選ぶ年間ベストアプリの1つに選出――そんな派手な成果で世界をまたにかけて大躍進を続けるスマホアプリ「CocoPPa」……だが、この名前を初めて聞いたという読者も多いかもしれない。

 それもそのはず、CocoPPaはユーザーのほとんどを10代と20代の女性が占める、イラストを中心とした投稿素材が世界中から集まる着せ替えアプリだ。日本発・世界を席巻する「かわいいの楽園」の中で今何が起こっているのか、プロデューサーの梶原彩菜さんと人気クリエイターのほしのまあさんに聞いた。

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CocoPPaで着せ替えしたスマホのホーム画面

 ユナイテッドの運営するCocoPPaは「ホーム画面を世界一カワイク」をコンセプトとしたスマートフォン向けの着せ替えコミュニティアプリ。オリジナルデザインのアイコンにメールやカメラ、アプリなどを立ち上げるショートカットを設定し、壁紙と共にカスタマイズすることで、ホーム画面を自分の好みに“デコれる”仕組みだ。

 アイコンや壁紙を素材として投稿・共有できるのが人気の秘密。投稿するユーザーのほとんどは趣味で絵を描いており、中高生をはじめ学生も多く、手描き調のイラストが並ぶ。100万人以上のフォロワーを抱えるクリエイターの素材には各国語でズラリとコメントが付く。2000万ユーザーのうち84%が海外からだが、人気ユーザーのほとんどは日本人で「日本の“かわいい”が世界から注目されてることを感じます」(梶原さん)。

「何が起きてるのかよくわからない」まま海外で人気に

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月別ダウンロード数推移

 同アプリがリリースされたのは2012年の7月。イラストを中心としたコミュニティーとしてコアなユーザーが集まり、アクティブ率は高かったが大多数は日本人ユーザーだった。風向きが一気に変わったのはリリースから約半年経った翌1月のこと。マレーシアのApp Storeのライフスタイルカテゴリで1位になり、ダウンロード数が急増。連鎖的に東南アジア一帯で高順位を記録したという。

 「たまたま海外で流行ることもあるんだ」と楽観的に構えていたところ、年明けにはフィンランドやノルウェーに飛び火。ヨーロッパ圏でも人気を集め、13年2月上旬には人気の波はアメリカに達した。前年12月時点で80万だったダウンロード数は、2013年2月には607万と7.5倍に急成長。ユーザーレビューや問い合わせが読めない言葉で寄せられ、「何がなんだかわからないまま、すごいことになっている実感もなく日々対応に追われていた」とプロデューサーの梶原彩菜さんは振り返る。

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Instagramで「#CocoPPa」タグの付いた写真は約10万件。カラフルでビビッドな壁紙が目につく

 イラスト中心で言語の壁が比較的低いため、リリース当初から英語、中国語(繁体字)、韓国語に対応していたが、具体的なプロモーション施策は全くなし。海外の感度の高いブロガーが「最近お気に入りのアプリ」として紹介するなどして、口コミでじわじわと広がったという。「時間をかけて一生懸命作ったかわいいホーム画面は自慢したくなる」(梶原さん)のがポイントで、カスタマイズしたホーム画面の画像をSNSに投稿する人も多く「それ、どうやるの?」の連鎖で人気が集まったのでは――と分析している。InstagramやPinterestでも、「#CocoPPa」のタグをのぞくと世界中の女の子のエネルギーのこもった力作が続々と投稿されている。

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