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「青空文庫」作品をオンデマンドで書籍に 高齢者・弱視者向け大活字版も
「青空文庫」登録作品を紙の書籍としてオンデマンドプリントする新ブランド「青空文庫POD」をインプレスR&Dが始めた。高齢者や弱視者向けに、大活字版やシニア版のレイアウトもそろえる。
インプレスR&Dは2月27日、著作権の切れた文学作品を掲載するWebサイト「青空文庫」上の作品を紙の書籍として発行する「青空文庫POD」を始めた。第1弾として、芥川龍之介や夏目漱石、太宰治など29作家の100タイトルからスタートする。価格は400円前後から。売り上げの一部は青空文庫に還元する。
「青空文庫」上のテキストから書籍用データを作成し、注文に応じてオンデマンド印刷する。大活字版(文字サイズ22ポイント、B5版)、シニア版(10.5ポイント、四六判)、ポケット版(9ポイント、A6変形版)の3種から選択でき、高齢者や弱視の人向けのレイアウトも用意した。
販売は、Amazon.co.jpの「青空文庫POD」ページと三省堂書店オンデマンドを通して行う。今後、青空文庫に登録されている1万2000点以上の作品を可能な限り書籍化することを目指すという。
プロジェクト発足にあたり、同社の開発した電子書籍と紙の書籍を同時発行するシステム「NextPublishing」をバージョンアップ。(1)青空文庫記法のテキストファイルからEPUB3ファイルを自動生成、(2)EPUB3ファイルから多書体対応のLaTeX自動組版システムを利用した印刷用ファイル(PDF)の作成、(3)カバー用ファイルの自動生成――の3つの新機能を加え、効率的な書籍化と、同一データからの複数レイアウト作成を可能にした。
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