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巨大隕石衝突で全地球的に酸性雨──白亜紀末の大量絶滅に新しい見方
白亜紀末の生物大量絶滅は、巨大隕石の衝突により酸性雨が地球全体に降り、海が酸化したことで引き起こされたという研究結果。
恐竜などが姿を消した白亜紀末(6500万年前)の生物大量絶滅は、巨大隕石の衝突により酸性雨が地球全体に降り、海が酸化したことで引き起こされたという研究結果を千葉工業大学などのチームが発表した。
恐竜が絶滅したのはメキシコ・ユカタン半島で起きた地球外天体の衝突が原因だとほぼ結論付けられている。白亜紀末には恐竜だけではなく多くの生物が絶滅し、海生動物では科のレベルで約66%が絶滅したと考えられている。
研究チームによると、ユカタン半島には硫黄を含む岩石が豊富に存在しており、これが隕石衝突のエネルギーで蒸発、硫黄酸化物ガスが爆発的に放出され、強い酸性雨をもたらしたという。酸性雨は衝突から数日以内に全地球的に降り、その結果深刻な海洋酸性化を引き起こし、海洋プランクトンの多くが絶滅したという。
これまでに知られている(1)海洋酸性化に敏感な石灰質ナノプランクトンは、種のレベルで80%以上が絶滅した、また、陸上では絶滅率が高く淡水中と海底では絶滅率が低かった、(3)衝突直後最初に酸に強いシダ植物が繁茂した──といったことも、強い酸性雨と海洋酸性化で統一的に説明できるとしている。
研究成果は「Nature Geoscience」オンライン版に掲載された。
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