放送中の番組、自宅のBDレコーダーからスマホに転送 海外でも視聴OK ソニーが国内初の新機能
自宅のBDレコーダーから受信した放送中の番組や録画番組を外出先のスマホでネット経由で視聴できる「外出視聴」をソニーが開発。海外からの利用も可能だ。
ソニーは3月25日、自宅のBlu-ray Discレコーダーで受信した放送中の番組や録画番組を、外出先のスマートフォンからネット経由で視聴できる「外出視聴」機能を公開した。国内だけでなく、海外からの視聴も可能。デジタルチューナー搭載BD/DVDレコーダーに同機能を搭載したのは国内初としている。
2013年秋以降に発売したBDレコーダー(「BDZ-ET2100」「BDZ-ET1100」「BDZ-EW1100」「BDZ-EW510」「BDZ-E510」。「BDZ-E510」は録画番組の視聴のみ)で対応。BDレコーダーのアップデートと、スマートフォンアプリ「TV SideView」のアップデート(Android版は25日、iOS版は4月下旬配信開始)を行えば利用できる。
アップデート済みのBDレコーダーとスマートフォンをホームネットワークに登録し、レコーダーをネット接続すれば準備OK。「TV SideView」の番組表(地上デジタル/BSデジタル放送)から見たい番組を選べば、自宅のBDレコーダーからネット経由で視聴できる。レコーダーに録画した番組をネット経由で再生することも可能。画質は720p、360p、180pの3種類から通信状態に合わせて調整できる。
対応スマートフォンがホームネットワーク外に90日以上置かれた場合は、再度、ホームネットワーク内で、本体とスマートフォンを接続し直す必要がある。
「TV SideView」は今後も機能を拡充。ネット経由で外出先から録画予約する「外から録画予約」、放送中や録画済みのテレビ番組をホームネットワーク経由で視聴する「家じゅうどこでも視聴」などの機能を追加する。
番組のリモート視聴機能は、昨年6月の総務省「放送サービスの高度化に関する検討会」での検討結果の取りまとめを受け、次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)などで検討してきた要件や規定を満たして開発した。
似た仕組みの機器としてはソニーが2005年に発売した、無線/有線LAN経由で外出先の無線LAN機器からリアルタイムテレビ視聴ができる「ロケーションフリーベースステーションパック」がある。
同機器を使い、日本のテレビ番組をネット経由で海外でも視聴できるようにするサービス「まねきTV」(永野商店が運営)もあったが、著作権法に違反するとしてNHKと在京キー局がサービス差し止めなどを求めて提訴。永野商店が最高裁で敗訴し、サービスを終了していた。
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