Microsoft、「モバイル第一、クラウド第一」の幹部再編を発表
OSグループ下に新設のXboxのコンテンツを統括する新たな役職にMicrosoft Studiosのフィル・スペンサー氏が、ナデラ氏のCEO就任で空席になっていたクラウド責任者にWindows Azureを統括してきたスコット・ガスリー氏が就任した。
米Microsoftのサティア・ナデラCEOは3月31日(現地時間)、従業員向け公開書簡で、「モバイル第一、クラウド第一(mobile first, cloud first)」戦略を加速するための幹部再編を発表した。
ナデラ氏はCEO就任時から、「世界はモバイル第一、クラウド第一に向かっており、ソフトウェア主導になっていく」と語っており、「Microsoft Office for iPad」の公開もそのビジョンに沿ったものだという。
まず、Microsoft Studios担当副社長のフィル・スペンサー氏が、Xboxのコンテンツを統括する新しい役職に就任し、Operating System担当上級副社長のテリー・マイヤーソン氏の直属になる。同氏は、Xbox、Xbox Live、Xbox Music、Xbox Video、Microsoft Studiosを統括する。ナデラCEOは「Xboxのソフトウェア、ゲーム、コンテンツの責任者をOSグループと連携させることで、Xboxのマジックをタブレット、スマートフォン、PCを含むあらゆるフォームファクターにもたらすことができる」としている。
また、ナデラ氏のCEO就任後に空席になっていたCloud and Enterprise(データセンター、データベース、企業向けIT、開発ツールなどのバックエンド技術)担当上級副社長に、Windows Azure(4月3日からMicrosoft Azureに改称予定)を統括してきたスコット・ガスリー氏が就任する。同氏は1997年にMicrosoft入りして.NETの立ち上げにかかわった後、クラウド、サーバ、開発者関連に従事してきた。ナデラCEOの直属になる。
さらに、Nokiaのハードウェア部門買収が完了したら、Nokiaの前CEOであるスティーブン・エロップ氏をMicrosoft Devices Group担当上級副社長に迎える。この買収は4月中に完了する見込みだ。同氏はナデラCEOの直属になり、スマートフォンだけでなく、同社のハードウェア全般を統括する。
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