「日本でも普及する」「発想はWiiから生まれた」――世界を席巻するウェアラブルデバイス「Fitbit」の狙い
ワイヤレス活動量計サービス「Fitbit」を手掛けるFitbitのジェームス・パークCEOが来日。日本での事業展開や創業のきっかけなどについて語った。
「日本人は健康に対する意識が非常に高い。必ずニーズがあると期待している」――ワイヤレス活動量計「Fitbit」の製造・販売を手掛ける米Fitbitのジェームス・パークCEOはこのほど来日し、Fitbitの国内展開について説明した。米国などでは活動量計/デジタルフィットネス市場でトップシェアを獲得しているといい、「日本でも他の多くの国と同様に普及させていく」と意気込む。
Fitbitは、身に着けることで歩数や歩行距離、消費カロリー、睡眠時間などを取得するウェアラブルデバイス。ワイヤレス通信によってデータをWeb上に送信し、ユーザーはPCやスマートフォンから自分の健康状態を把握できる仕組みだ。日本を含む25カ国の約3万店舗で販売しており、「販売国の多くでマーケットシェア1位を獲得している」(パークCEO)という。
日本では、ソフトバンクBBを販売代理店として昨年春に発売。リストバンド型の「Fitbit Flex」は現在ソフトバンクモバイルの有料サービスユーザーしか購入できないが、今年6月をめどに一般ユーザー向けの店頭販売も始める計画だ。
任天堂「Wii」に衝撃を受けて創業 世界を席巻する健康デバイスに
Fitbitは2007年に米サンフランシスコで創業したベンチャー企業。今では米国をはじめ多くの国で高いシェアを誇っているが、パークCEOによれば、Fitbitを創業するきっかけの1つは任天堂のゲーム機「Wii」に衝撃を受けたことだったという。
「2006年にWiiが発売されたその日、(米大手家電量販店の)Best Buyに朝6時から並んで手に入れた。センサーとソフトウェアが一緒になってゲームのあり方を変えてしまったこのデバイスに衝撃を受け、この仕組みを使ってフィットネスとエンタテインメントをつなごうと考えた」(パークCEO)
Fitbitは単に活動量をグラフ表示するだけではなく、ユーザーが楽しみながら健康管理できる仕組みを用意しているという。例えば、日々の歩数や走った距離などを友人同士で競える機能を搭載。いいスコアを残したユーザーがバッジを獲得したり、ユーザー同士でコメントをやり取りしてモチベーションを高められるようになっている。
また、デバイスも1種類だけでなくさまざまなタイプを用意。Fitbit Flexのほか、クリップ式の「Fitbit One」、ディスプレイ付きの「Fitbit Zip」などをラインアップし、それぞれ数種類のカラーバリエーションを展開している。「1つの製品でユーザー全員を満足させられるとは思っていない。製品もさまざまなものを用意するし、カラーバリエーションも豊富。本人の好みや気分に合わせて使い分けられる」とパークCEOは話す。
日本で販路拡大へ ビックカメラやヨドバシカメラなど600店舗で販売
現在、日本で店頭販売しているのはFitbit OneとFitbit Zipの2種類だけだが、6月をめどにFitbit Flexも全国の量販店で販売する計画だ。「Apple Storeやビックカメラ、ヨドバシカメラなど600店舗での販売を予定している」とパークCEOは話す。
また、日本向けのサービス展開も強化していく。食品ごとの摂取カロリーなどが分かるデータベースを日本に対応させ、「Fitbitでそのうちどれだけを燃焼できたか分かるようにする」(Fitbitのヨランダ・チャン アジア太平洋地域副社長 兼 本部長)という。食品データベースは約10万品目を予定しているという。
「日本人は健康に対する意識が非常に高い。ある調査によれば80%の日本人は『健康が一番大事』と答えたというデータもあり、Fitbitのニーズは必ずあると期待している」とパークCEO。「他の多くの国と同様にトップシェアを取ることができるのでは」と話している。
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