「radiko」エリアフリー化に大反響 次はタイムシフト機能? 運営元に聞く(2/2 ページ)
放送エリア外のラジオ番組を聴ける「radiko」のエリアフリー機能が好評だ。今後は、放送終了後の番組を聴けるタイムシフト機能の導入にも取り組みたいという。
月額350円という料金は「高い」という声もある。「ユーザーのことだけを思えば無料で提供するのが一番だが、初期費用やサーバ費用、運用費もかかるため、無料提供は難しい」と青木氏。価格設定の詳細は明かさなかったが、参考として全国のFMラジオが聴けるサービス「LISMO WAVE」「ドコデモFM」が月額300円であることを挙げ、「radikoはFMだけでなく、AMラジオも聴ける」と話す。
エリアフリー化により日本音楽著作権協会(JASRAC)への支払い額が上がるため、有料化する必要があったと推測する向きもあったが、「配信に関するJASRACの規定には、有料/無料の概念はあるが、エリアの概念はない」ためその指摘は当たらないという。
エリアフリー化はネットで大きな話題になり、同社が想定していた以上の登録があったという。「想定より評価をいただき、初動は予想より良かった」と感じている。
次はタイムシフト機能? 「いつになるか分からないが実現したい」
次は、放送終了後にも番組が聴ける、タイムシフト機能の実装に取り組みたいという。さまざまな権利者の理解を得、許諾を取る必要があるため「いつになるとは言えない」が、ラジオとSNSとの親和性の高さを生かし、ラジオ文化を維持・拡大するためにも実現したいという。
「ラジオで放送された内容がSNSで拡散されることが増えている。拡散された情報を見た人が番組を聴きたくても、情報を見た時点で番組が終わっていれば聴けない。タイムシフト機能でそれを解消し、次の人、また次の人へと拡散させたい」。音質の向上や、番組のレコメンド機能の実装も検討している。
ラジオをめぐる環境は厳しい状態が続く。ラジオ広告費は1991年(2400億円)がピークで、現在は半減。radikoに出資するラジオ局の経営も、厳しさを増している。「広告費を元に戻すのはかなり厳しいが、まずは下げ止まらせ、回復基調に乗せたい。舗装された道ではないのでつまづいたりするだろうが、次の手を打っていきたい」
関連記事
- radikoがエリアフリー化 全国で好きな放送局が聴ける有料版スタートへ
ネット経由でラジオを同時放送するradiko.jpでサービスエリアを越えて全国どこからでも好きな放送局を楽しめる「プレミアム」サービスが4月1日に始まる。 - 沖縄在住なのに「新宿ダンジョン」制作 マップ作りで上京5回 開発者・上原さんに聞く苦労
新宿駅を緻密に再現したスマートフォンゲーム「新宿ダンジョン」を開発したのは、沖縄で生まれ育った生粋の沖縄人だ。新宿と沖縄を5往復し、やっとの思いでマップを完成させたという。 - iPhoneアプリで食べていく――「ぐんまのやぼう」ができるまで
全国を群馬県にしてしまう人気ゲーム「ぐんまのやぼう」を開発したのは、アプリ開発だけで生計を立てている28歳の自称「ネオニート」。これまで100本以上のアプリを作ってきたが、「できれば働きたくない」「ひっそりしたい」と話す。 - 制作期間2年以上、「三国志」LINEスタンプにかけた“原作厨”の情熱 “狂気の企画書”420ページ 「あのコマ」入らなかった理由は……
「これは孔明の罠だ」「げえっ」――「三国志」のLINEスタンプが人気だ。企画者は自称“原作厨”の27歳。コミックス全60巻から2年かけて候補4100コマを選び出し、熱い情熱で社内外を説得して実現したという。 - 「ラジオ復活を」 好調radikoが会社化、名古屋などエリア拡大
radikoが12月から株式会社化。北関東でも聴取できるようになるほか、来年春までに名古屋、福岡、北海道にエリアを広げる。ラジオ業界は厳しい状況が続くが、radikoを通じて「復活を目指していく」という。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.