究極の衣類開発に一役? 電子部品いらずの縫い付け型RFIDタグ
電子繊維を使った伸縮性のあるチップレスRFIDタグが実現可能であることが発表された。電子部品を用いないため安価に製造でき、健康管理やスポーツ、偽造防止などの応用が考えられる。
電子繊維を用いた伸縮性のあるチップレスRFIDタグを実現したという論文を、フィンランド・タンペレ工科大学と米ジョージア工科大学の研究チームが国際会議「IEEE RFID 2013」で発表した。衣類の偽造防止や、着用者の動きをセンシングするといった応用が期待される。
RFIDは、Suicaなどの交通ICカード、電子マネーなどに使われる近距離無線通信技術。ICチップを介して反射波を変調させることでIDやコマンドを読み取り機とやり取りする通常のRFIDタグと異なり、金属のパターンによって反射波の周波数特性を変化させ、数ビットのIDを送信することができるのがチップレスRFIDタグだ。電子部品を用いないため安価に製造できるなどのメリットがある。
チップレスRFIDタグ自体はこれまでも発表されていたが、本論文では電子繊維を用いて裁縫されたものでも実現可能であることが示された。加えて、伸縮の具合による周波数特性の変化を応用する事で、張力センサー/重量センサーを安価に実現できるのではないかといった視点での検討も行われている。
論文内ではバイオメディカルの分野に応用できる可能性があるとしている。具体的には、裁縫RFIDの縫い付けられた衣類をアスリートが着用することで、衣類の伸縮具合をセンシングすることができ、より各種スポーツの動きにあったスポーツウェアの開発につながる――などが考えられる。また、高価な衣類にこのタグを縫い付ける事で安価に偽造を防止するという応用例も考えられる。
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