遠隔操作事件、被告が記者会見に出席せず メール“自作自演”報道に弁護団「警察は勝負を賭けている」
遠隔操作ウイルス事件で、被告は19日午後の記者会見に出席しなかった。“メールは自作自演の可能性”という報道について、弁護団は「送信する意味がない」と批判。
遠隔操作ウイルス事件で起訴されている片山祐輔被告が5月19日午後2時に都内で開く予定だった弁護団の記者会見に出席しなかった。弁護団によると、この日午前から連絡が取れなくなっているという。
この日午前、報道各社は16日に届いた“真犯人”のメールについて、片山被告が作成して送信した疑いがあるとの見方を示していると報道。保釈中の片山被告が15日夕方に東京都江戸川区の荒川河川敷にスマートフォンを埋め、その端末にメールを送信した痕跡が残っていた、という。東京地検は保釈取り消しの申請も検討するという。
この日の記者会見は、メールによって片山被告が犯人でないことが明らかになったとして、公訴取り消しを申し立てるのを受けて開く予定だった。弁護団は、メールについては真犯人のものと考えている一方、「彼が裁判を不利にする意味がない」として、片山被告が送信したとの見方を否定。メールは「無罪の証拠」とした。佐藤博史弁護士は“メールは自作自演”との報道について「警察はのるかそるかの勝負を賭けてしまった。事件は最終章にかかっている」と述べ、警察を批判した。
片山被告は16日、メールについて「信ぴょう性が高いと思う」とコメントしていた。
片山被告はこの日胃の検査を受けるため病院に行く予定だったが、午前中以降、連絡が取れなくなっているという。
メールは公判が開かれていた16日に落合洋司弁護士や報道関係者に送信された。メールを受け取った開発者の矢野さとるさんによると、前回、前々回のメールはtorのIPからだったが、今回は通常のISPからWebメールではなくSMTPで送信された可能性があるという。
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