iPS臨床研究「新患の組み入れ、慎重にならざるを得ない」 理研研究者、「中止を検討」の真意説明
iPS細胞を使った世界初の臨床研究を行っている理研の研究者がTwitterで「臨床研究の中止も含めて検討する」と明らかにした件について、理研が2日夜、真意を説明するコメントを発表した。
iPS細胞を使った世界初の臨床研究を行っている理化学研究所CDB(発生再生科学総合研究センター)の高橋政代プロジェクトリーダーが7月2日、自身のTwitterで、「臨床研究の中止も含めて検討する」と明らかにした件について理研は2日夜、真意を説明する本人からのコメントを発表した。「様々な状況を考えて新規の患者さんの組み入れには慎重にならざるを得ないというのが真意で、中止の方向で考えているということではありません」としている。
高橋プロジェクトリーダーは、iPS細胞を使った目の疾患の治療法の確立に向けたプロジェクトを進めている。
自身のTwitterでは「STAP細胞」問題に対する理研の対応に不信感を示し、「患者さんも現場もとても落ち着ける環境ではない」ため、新規の患者の治療は「中止も含めて検討する」、すでに始めている患者については、「本人が不安でやめたい場合は本人の意思で中止できる。次回確認する予定」と投稿していた。
コメントでは「お騒がせして申し訳ありません」と謝罪した上で、「現在移植手術に向け細胞培養を行っている患者さんの臨床研究については順調に推移しており予定通り遂行します」と改めて説明。「中止も含めて検討」するのは新規の患者の組み入れであり、「中止の方向で考えているということではありません」とした。
その上で「臨床研究そのものには何の問題もありませんし、一刻も早く治療法を作りたいという信念は変わっておりません。理研が一日も早く信頼を回復し、患者さんが安心して治療を受けられる環境が整うことを期待しています」としている。
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