“籠城戦マスコット”「かつ江(渇え)さん」は「因幡の人たちのたくましい姿描いた」 鳥取市が説明
鳥取市が、“籠城戦マスコットキャラ”として公開した「かつ江(渇え)さん」への賛否両論を受け、選出の意図を公式サイト上で追加説明している。
鳥取市が“籠城戦マスコットキャラクター”として公開した苦しげなビジュアルの「かつ江(渇え)さん」。歴史に残る痛ましい戦いを題材にしたキャラに否定的な意見も寄せられていることを受け、同市は「因幡の人たちのたくましい姿を描いた」と選んだ意図を説明している。
「かつ江(渇え)さん」は、昨年12月から今年2月に実施した鳥取城跡マスコットキャラクターの公募で次点に選ばれた。マスコットの募集は旧鳥取藩主・池田家から鳥取城が同市に寄贈されて今年で70年を迎えることなどから行われ、「とりのじょう」が選出されている。
鳥取城は戦国時代、羽柴秀吉による“鳥取の渇え殺し”と呼ばれた兵糧攻めによる籠城戦でも知られており、城に逃げ込んだ周辺住民も多くが犠牲になったとされる。ボロボロの着物に苦しげな表情でカエルを持つ「かつ江(渇え)さん」は、この合戦に巻き込まれた住民を描いている。
そのインパクトゆえにネット上で話題になったが、「デフォルメする題材としてどうなのか」「凄惨な歴史的事実を茶化しているようで不快」といった否定的な意見も上がっていた。
8日、鳥取市は追加でコメントを発表。通常は武将の戦いとして扱われることが多い籠城戦だが、その戦いに巻き込まれた「一般の住民たち」の姿が描かれることはわずかだったという。「かつ江(渇え)さん」は「毛利方でも織田方でもない、一般の住民を描いたキャラクター」であることに価値があるとし、「武力と武力のぶつかり合いに巻き込まれ、飢餓に悩まされながらも生き延びた、因幡の人たちのたくましい姿を形象した」と説明している。
利用に関しては趣旨の理解を求め、「他の人を不快にさせ、または傷つけるために公式画像あるいは2次創作物を使うことはできません」と強調している。
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