出版社も取次もなし 作家が直接届ける電子書籍「AiR 4」発売 Kindle直販限定
プロの作家集団が出版社を介さず、直接読者に電子書籍を届けるプロジェクト「AiR(エア)」シリーズ第4弾が刊行。KDPを使い、電子取次も介さずに直販する。
プロの作家集団が出版社を介さず、直接読者に電子書籍を届けるプロジェクト「AiR(エア)」シリーズ第4弾「AiR 4 KDP」が8月8日に発売された。シリーズで初めて、Kindleダイレクト・パブリッシング(KDP)で販売。電子取次も利用せず、作家から直販する。8月15日までは200円(税込)の発売記念価格で販売。通常価格は450円。
AiRは2010年に第1号を発売。各分野の第一線で活躍する書き手と、デザイナー、校閲者らが横断的に集まり、出版社を介さずにつくるオリジナルの作品集だ。
AiR 4には新たに、横溝正史ミステリ大賞受賞作家の河合莞爾さん、Kindle書籍情報サイト「きんどう」運営者のzonさんが参加。河合さんの小説「おしゃべり姫の殺人」、zonさんのエッセイ「電子書籍で食いたいなら、売る力を身につけろ」を収録する。
また、吉田戦車さんのイラストエッセイ「吉田旅客車『宮城旅客旅2014』」、東京大学教授で歴史学者の本郷和人さんがAKB48を語る「AKB48の守成と創業。そして日本の現在と未来」、カラスヤサトシさんの漫画「『男らしさ』ってなんでしょう?」、カレー沢薫さんのエッセイ「最近仕事の都合でチンコのことばかり考えている。」なども収録した。
「自分たちがおもしろいと思ったものを、おもしろいと思ってもらえる人に届けたい」がコンセプト。「デジタルという“冷たい媒体”が作家と読者を直接つなぐ。そして“熱”を伝えることができるかもしれない。ある意味、矛盾した可能性ですが、『AiR(エア)』では、そんな新しいメディアならではの可能性を実践してみたいと考えています」としている。
発売記念キャンペーンとして8月15日まで、既刊分全巻も各200円で販売する。
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