日本進出のソーシャルニュースBuzzFeed、5000万ドル調達
SNSでシェアしやすい記事の量産で急成長し、1億5000万人の月間訪問者数を擁するバイラルメディアのBuzzFeedがAndreessen Horowitzから5000万ドルを調達した。資金は日本を含む海外進出やネイティブ広告事業の拡充に活用する。
米バイラルメディアのBuzzFeedは8月11日(現地時間)、米ベンチャーキャピタル大手Andreessen Horowitzから5000万ドル(約51億円)を調達し、同VCのクリス・ディクソン氏を取締役に迎えたと発表した。
資金は日本を含む海外への進出、動画コンテンツの強化、主要な収入源であるネイティブ広告部門の拡充、企業買収などに活用する。
BuzzFeedは2006年に米Huffington Postの共同創業者、ジョナ・ペレッティCEOらが創業したソーシャルニュースメディア企業。TwitterやFacebookなどのSNSでシェアされやすいニュースを量産することで急成長し、現在の月間ユニーク訪問者数は1億5000万人。米New York Timesによると従業員数は550人。ディクソン氏によると、今年の売上高は1億ドルを超える見込みという。収益のほとんどは、企業やブランドからの依頼を受けて制作する記事、いわゆるネイティブ広告によるものだ。
今回の増資で以下の事業拡張を行う計画。
ライフスタイル編集部の拡充
編集部をニュース、ライフスタイル、エンターテインメントの3チームに分割する。ライフスタイルチームは人気のDIY、食べ物、生活スタイルを担当し、ニューヨークのマンハッタンに開設するテストキッチンとフードラボでオリジナルコンテンツの創造に取り組む。
動画専用部門Motion Pictures
現在も短い動画コンテンツを提供しているが、新たにMotion Pictures部門を立ち上げ、短編に加えてシリーズものの中編動画、テレビ番組やトランスメディアコンテンツなども制作する。米Hollywood Reporterによると、「パルプ・フィクション」のプロデューサー、マイケル・シャンバーグ氏がアドバイザーとして同部門に参加するという。
メディア外コンテンツ制作部門BuzzFeed Distributed
Tumblr、Instagram、Snapchat、Vineなど、BuzzFeed外のソーシャルメディア専用のコンテンツ制作部門。
ネイティブ広告制作部門BuzzFeed Creative
収益源であるネイティブ広告を強化する目的で、60人のクリエイター、15人の動画制作者を広告制作専任とする。
日本を含む海外進出
年内に、日本、インド、メキシコ、ドイツに進出する。
新取締役のディクソン氏は自身のブログで、BuzzFeedは紙メディア時代のTime、ラジオ時代のCBS、ケーブルテレビ時代のViacomに並ぶ、ソーシャル/モバイルメディア時代の代表的なメディアになると語った。
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