ゲーム実況のTwitch、GoogleではなくAmazonが9億7000万ドルで買収
Googleが買収交渉中と報じられていたゲーム実況のTwitchをAmazon.comが9億7000万ドルの現金で買収すると発表した。Twitchは独立子会社として従来通りサービスを運営していく。
米Amazon.comは8月25日(現地時間)、ゲーム実況を手掛ける米Twitch Interactiveを買収することで合意に達したと発表した。買収総額は9億7000万ドル。買収は現金で行い、取引は2014年下半期中に完了する見込み。
Twitchについては、米Googleが10億ドル超での買収を交渉中と報じられていたが、Forbesによると、両社はGoogle傘下のYouTubeとの関係で独占禁止法に抵触する可能性を懸念していたという。
この買収はAmazonにとって、約8億5000万ドルのZappos買収以来の過去最高額の取引になる。
Twitchのエメット・シアCEOは公開書簡で、「Amazonを選んだのは、Amazonがわれわれのコミュニティーを信じ、サービスの価値と長期ビジョンを共有してくれたから」とし、Twitchは買収完了後も完全に独立して運営し、ブランド、従業員、サービス、コミュニティーへの影響はないと説明。Amazonのサポートを得て、より良いサービスを提供するためのリソースを獲得したと語った。同氏はAmazonの発表文でAmazonとTwitchは共にゲームの未来を信じており、「Amazon傘下になることで、従来よりも速くツールやサービスを構築できる」と述べている。
Amazonのジェフ・ベゾスCEOは発表文で、「AmazonはTwitchと同様に顧客を第一に考えており、一般と異なる考え方を好む。彼らから学び、彼らがゲーミングコミュニティーのための新しいサービスをより迅速に構築するのを助けられることを楽しみにしている」と語った。
同社は「Amazon Game Studios」でオリジナルゲームを提供しており、4月に発表した「Fire TV」でこれらのゲームをプレイできる。Fire TVのコントローラにTwitchボタンが追加されることになるかもしれない。
Twitchは2011年創業のカリフォルニア州サンフランシスコに拠点を置く非公開企業。ユーザーによるゲーム実況動画のストリーミング配信プラットフォームとして成長し、ソニーのプレイステーション 4と米MicrosoftのXbox Oneにも採用されている。3月にはSDKが公開され、AndroidおよびiOSのモバイルゲームにも対応した。7月の月間ユニーク訪問者数は5500万人以上。100万人以上が配信する150億分以上のゲーム実況が視聴された。
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