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楽天、米Ebates買収の狙い 楽天市場“外”のECサイト取り込みへ 海外比率5割目指す(1/2 ページ)

楽天が米最大級の会員制キャッシュバックサイトを展開するEbatesを買収。三木谷社長はECサイトのビジネスモデルをオープンにし、楽天市場の“外”のECサイトをエコシステムに組み入れたいと語った。

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三木谷社長(中)、米Ebatesのケビン・ジョンソンCEO(右)と、米Sliceのスコット・ブレイディCEO

 「この買収をステップに、ネットショッピングの新しい形を提案していく」――楽天は9月9日、米最大級の会員制キャッシュバックサイトを展開するEbatesの発行済み株式の100%を約10億ドルで取得すると発表した。三木谷浩史社長は同日開いた記者会見で、ECサイトのビジネスモデルをオープンにしていくと宣言。同社グループの海外取扱高比率は50%に高めたいと述べた。

 Ebatesは1999年創業。会員がEbatesのサイトを経由して外部ECサイトで買い物すると、キャッシュバックやポイント還元などが受けられる仕組みで、250万のアクティブ会員を抱えている。

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Ebates

 Amzon.comや旅行サイトのExpedia、アパレルブランドのGAPなど大手を含む2600以上の企業と提携。「全米の魅力的なサイトがすべて入っている」と三木谷社長は紹介する。同社が2005年に買収した米LinkShareの最大の顧客の1つでもあるという。

 取扱高・売上高は成長を続け、13年度の流通総額は22億ドル、売上高は1億7000万ドル、営業利益1367万ドルを計上。海外展開も進めており、カナダ、ロシア、中国、韓国でも展開中で、売り上げの約1割を米国外から稼いでいる。

楽天市場“外”のECサイトもエコシステムに組み入れる

 楽天はEbatesを傘下に収めることで、「クローズド型のモールから、オープン型のサイトに進出し、次世代のECプラットフォームを作っていきたい」(三木谷社長)と述べる。

 楽天市場は、店舗が1つのショッピングモールに集まる垂直統合型でクローズドなモールだ。一方でEbatesは、モールの外で独自に展開しているECサイトに、横串でキャッシュバックやポイント還元を提供できるオープンな仕組みだ。

 楽天市場の垂直統合型と、Ebatesのオープン型のモデルを組み合わせることで、楽天のECビジネスを、楽天市場“外”のECサイトにも広げる狙い。楽天市場の買い物カートで海外のEbates提携サイトの商品が買え、ポイントが付く――といったサービスも想定する。「これまでショッピングモールに参加しなかった大手ECサイトが一気に楽天のエコシステムに入ってくる」と三木谷社長は期待する。

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