Appleのジョナサン・アイブ氏、「デザインのまねは賞賛ではなく盗みだ」
アイブ氏はインタビューの最後に聴衆から「Xiaomiが中国のAppleと呼ばれることをどう思うか、デザインのまねは賞賛だと思うか」という質問を受け、「特定の企業についてではないが、デザインのコピーは賞賛ではなく、窃盗だと思う」と答えた。
「特定の企業の話ではないが、デザインをまねすることは賞賛ではなく、窃盗だと感じる」──。米Appleのデザイン担当上級副社長、ジョナサン・アイブ氏は英国発の娯楽雑誌「VANITY FAIR」が10月9日(現地時間)にサンフランシスコで開催した公開インタビューでそう語った。
同誌が16日、このインタビューの一部を公式YouTubeチャンネルで公開した。
このインタビューは、VANITY FAIRのカンファレンスのクロージングとして行われた。インタビュアーはVANIT FAIRのグレイドン・カーター編集長。
最後の質疑応答コーナーで、「中国Xiaomiが“中国のApple”と呼ばれるのは、同社の製品がAppleの製品に似ているからですが、こうした比較をどう思いますか? また、こうしたまねは偉大なデザインへの賞賛だと感じますか?」という質問があった(記事末の動画の18分40秒目当たりから)。
これに対し、アイブ氏は苦笑いして「賞賛だとは思わない」と語った。「これは特定の会社についてではなく一般的な話だが」と前置きし、そうした行為は窃盗だし、怠慢だと考えるとも言う。「例えばスマートフォンを初めて開発するとき、7〜8年は開発に費やすが、それがすぐにコピーされてしまう。そんなとき、“これは賞賛だ”とは感じない」とアイブ氏。
インタビュー本体では、アイブ氏の日常(サンフランシスコから毎日2時間かけて車で通勤していることなど)や新iPhoneのデザイン(なぜ丸みを帯びたデザインに戻したのか)、故スティーブ・ジョブズ氏から学んだことなどについて語っている。
関連記事
- ジョナサン・アイブ氏が信頼する著名デザイナーがApple入り
Appleが9月9日の発表イベントの直前、英メディアに対し、著名インダストリアルデザイナーのマーク・ニューソン氏が入社すると発表した。同氏はAppleのデザイン責任者、ジョナサン・アイブ氏の長年の友人でもある。 - 「ティム・クックCEOはデザインの重要性を理解している」とジョナサン・アイブ氏
New York Timesの「Time Cook, Making Apple His Own」という記事で、Appleのデザイン責任者、ジョナサン・アイブ氏はAppleのデザインプロセスはiPhone開発のころと変わっておらず、クックCEOとは週に3回は会っていると語った。 - Xiaomi、ステンレスフレームのハイエンド端末「Mi 4」を320ドルで発売へ
“中国のApple”とも呼ばれるXiaomiが、iPhone 5sのようなメタルフレーム付きのハイエンド端末「Mi 4」を発表した。価格は16Gバイトモデルが320ドルで、画面の彩度は「iPhone 5sより17%高い」という。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.