北朝鮮パロディ映画、ネット公開直後に海賊版横行 20時間後には75万本ダウンロード
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)が12月25日に北朝鮮パロディ映画「The Interview」のネット配信を開始して1時間後には同映画の違法コピーが一連のBitTorrentサイトにアップロードされ、20時間後には75万本以上がダウンロードされた。
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)がクリスマス(12月25日)に米国の一部の劇場での上映と同時にネット配信を開始した北朝鮮パロディ映画「The Interview」の海賊版が、公開直後に複数のBitTorrentサイトにアップロードされた。P2P関連に詳しい米ブログメディアTorrent Freakによると、公開1時間後には一連のBitTorrentサイトに登場し、20時間後には75万本が違法にダウンロードされたという。
「The Interview」は、米GoogleのGoogle PlayとYouTube、米MicrosoftのXbox Movie、SPEが立ち上げた特設サイト「www.seetheinterview.com」で公開された。料金はレンタルが6ドル、ダウンロードは15ドルで、米国外からは視聴できない。
The Vergeによると、www.seetheinterview.comでレンタル/購入したユーザーは当初、コンテンツへのURLを簡単にコピーできるようになっていたという(このサイトを構築したホスティングサービス企業のKernelは問題に対処するとツイートした)。
「The Interview」は、北朝鮮の最高指導者、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の暗殺計画を題材としたコメディ映画。SPEはサイバー攻撃者からの脅しを受けてこの映画の25日の封切りを一旦中止したが、バラク・オバマ米大統領が「表現者が悪質な攻撃に屈して自主規制するのは間違っている」とこれを批判した後、一部の映画館での上映とネット配信を開始した。
25日現在、映画館の爆破などの(予告されていた)事件は発生していない。だが、「The Interview」公開との関連は不明だが、本稿執筆現在、Xbox Liveとソニーの「PlayStation Network」(PSN)がダウンしている(詳細記事はこちら)。
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