au冬モデルは“ガラケーユーザー”に照準 鈍化するスマホシフト、再加速なるか(2/2 ページ)
auが初のシニア向け・ジュニア向けのスマホを投入。ガラケー端末ながらAndroidを搭載した「ガラホ」も開発し、鈍化しているスマホシフトを再加速させる狙いだ。
スマホシフト加速へ「聖域なき商品開発」 ガラホは“悪ノリ”
auの昨年9月末時点でのスマホユーザー率は52%。田中社長が掲げる「70〜80%」にはまだ遠く、スマホシフトのスピードは鈍化している。スマホ移行率が特に低いのはシニア層とジュニア層。冬モデルで両者のスマホシフトを加速させる狙いだ。
そのために「聖域なき商品開発を行った」と田中社長は言う。フィーチャーフォンにとどまっているユーザーには「ガラケーでいいと思っているのではなく、スマホを使いたいけど踏み切れない」人も多いとし、初心者にも使いやすい「BASIO」「miraie」「AQUOS K」を開発、割り引きプランも用意した。
「AQUOS K」は「悪ノリ」で開発した面もあるという。「もう一度原点に戻って、auって面白いことをするよね、と思ってもらえる会社にしたい」という思いも吐露する。
シニア向けスマホはNTTドコモやソフトバンクモバイルがすでに発売しており、auは最後発だ。「シニアもジュニアもだいぶ前から検討し、何度もプランをアップデートしてきた。ユーザーに受け入れてもらえるのでは、というところまで企画に時間をかけた」と田中社長は説明する。
フィーチャーフォンの新機種や「ガラホ」投入からは、スマホに決めきれない“迷い”も見える。今後のauでのフィーチャーフォンの扱いについて田中社長は「はっきり決めてないのが本音。お客さんが『(スマホではなく)ガラホでもいいんだ』ということであれば、そっちに大きくシフトすることはあると思うが、どっちにするかまで最終判断していない」と話すにとどめた。
機種変時に残債ゼロ “au大好きプログラム”で流出防ぐ
「auならどんどん機種変できる」――ユーザーが18カ月ごとに最新機種に機種変更できるようにする「アップグレードプログラム」も発表。端末を18カ月以上利用しているユーザーが機種変更する際、分割支払金の残額を無料とするプログラムで、田中社長は「完全に得です」と胸を張る。
「ずっとauを選んでいただきたいという思いで、私は勝手に“au大好きプログラム”と呼んでいる」と田中社長。格安スマホが人気を集め、SIMロック解除の義務化が決まるなどスマホをめぐる競争が厳しくなる中、ほかのキャリアに“浮気せず”、auを使いつづけてほしいという思いがあるようだ。
「今年は“新しい自由”auのイメージをもう一度打ち出していきたい」とも。年始から放送している「新しいau」のテレビCMは、好感度ランキングで1位を獲得したという。発表会には、CMに登場する「桃太郎」「浦島太郎」「金太郎」の格好をした俳優の桐谷健太さん、松田翔太さん、濱田岳さんが登場。「撮影はとても自由で、アドリブが多い」などと裏話を明かした。
関連記事
- KDDI、最新機種に1年半で買い換え・最大7カ月分の端末残額を無料にする「アップグレードプログラム」
KDDIは、端末を18カ月以上利用しているユーザーが機種変更する際、分割支払金の残額を無料とする「アップグレードプログラム」を開始する。 - auから「ガラホ」登場 姿はガラケー、中身はAndroid「AQUOS K」 LTE対応、テザリングも
「AQUOSケータイにスマホが入った『ガラホ』」が登場。ガラケーの姿ながらAndroidを搭載した「AQUOS K」がauから発売される。 - au新料金は“横並び”? データは「スーパーお得」、音声は「少し高い気も」 KDDI田中社長
「われわれは3番目なので、他社と比較できる」――auも通話・データ定額を発表。データ定額は一部プランでドコモ、ソフトバンクより割安に抑えた一方、通話定額は2社と全く同じ料金だ。 - KDDI夏モデルは大画面に高速通信 電子マネー「au WALLET」は「使わなきゃ損」
KDDIがau夏モデルスマートフォンと電子マネー「au WALLET」などの新サービスを発表した。キャリアごとの差が見えにくくなる中、ネットワークの安定性や速さだけにとどまらない総合的な満足度を追求していきたいという。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.