オリコン、楽曲DL用「ミュージックカード」をランキング集計対象外に 「まとめ買い誘因」など問題指摘
楽曲をネット経由でダウンロードするための「ミュージックカード」の売り上げがオリコンランキングの対象外に。ダウンロード率の低さや、まとめ買いを誘因する作品の存在などを問題視したという。
オリコン・リサーチは1月28日、楽曲をネット経由でダウンロードするためのIDなどを記載した「ミュージックカード」の売り上げを、4月6日のデイリーランキング以降、音楽ランキングの集計対象から外すと発表した。ダウンロード率の低さや、まとめ買いを誘因する作品の存在などを問題視したという。
オリコンの音楽ランキングは、CDに加え、カセットテープやアナログレコードも集計対象。2012年12月からミュージックカードも対象に加えた。ミュージックカードは、「合算集計できるCDが発売されている」「CD同様にJANコードが付与されている」「販売データが客観的で信頼できる」――ことが集計の条件となっている。
ただ、ミュージックカードも対象とすることに「批判的な意見が増えてきた」という。同社がミュージックカードの代表作を検証したところ、(1)ミュージックカードのダウンロード率が「音楽のパッケージ販売」と認定するには低い、(2)CDより安価な設定の上、複数枚のまとめ買いを誘因する作品など、社会通念上独立した1枚のヒットと言いがたい作品も散見される――などの問題を認識したという。
今後も同様な販売手法が考案され、問題が広がる可能性もあるとし、「『音楽のヒットを正確に伝える』という弊社の使命に照らし、看過することはできないと判断した」としている。
集計方法の変更は4月6日付けのデイリーランキングから。混乱を避けるため、過去の集計は変更しない。
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