Amazon、プライム会員増加で過去最高の売上高、黒字に転換
Amazon.comの10〜12月期決算は、売上高は過去最高の293億3000万ドルで、2期連続の赤字から2億1400万ドルの黒字転換。Prime NowやPrime Instant Videoなどへの巨額投資の甲斐もあり、プライム会員が前年比で53%増加した。
米Amazon.comが1月29日(現地時間)に発表したホリデーシーズンを含む第4四半期(10〜12月)決算は、売上高は前年同期比15%増の293億3000万ドルで過去最高、純利益は10%減の2億1400万ドル(1株当たり45セント)だった。2期連続の赤字から黒字に転換した。売上高はアナリスト予測(297億ドル)をやや下回ったが、1株当たりの純利益は予測(18セント)を大きく上回った。
営業コストは15%増の287億ドルだった。ジェフ・ベゾスCEOは発表文で、2014年だけでもプライム会員向け無料配送に数十億ドル掛け、「Prime Instant Video」に13億ドルを投じ、「われわれはプライム会員のために今後も懸命に働く」と語った。
同社は最近、プライム会員向けサービスとして、容量無制限の写真ストレージ「Prime Photos」や“1時間以内に配達”サービス「Prime Now」などのサービスを立ち上げた他、ウディ・アレン監督によるInstant Video向け番組製作、映画館で上映した後Instatnt Videoで配信する映画製作などを次々に打ち出している。
プライム会員は2014年に53%増加したという。米国でのプライム会員の年会費は昨年4月に79ドルから99ドルに値上げされたが、それでも米国のプライム会員は50%増加し、米国外では増加率がさらに高かったとしている。
事業別の売上高は、書籍や映画などのコンテンツを扱うメディア部門が4%減の69億5000万ドル、電化製品および雑貨部門(Kindle端末やWebサービスを含む)が21%増の206億3800万ドルだった。
Amazon Web Services(AWS)を含むその他の部門は41%増の17億4000万ドルだった。AWSの利用率は、前年比で約2倍(90%)だった。
2014年通年では、売上高は20%増の889億9000万ドル、純損失は1億7800万ドル(1株当たり54セント)。前年は2億7400万ドル(1株当たり59セント)の黒字だった。
2015年第1四半期(1〜3月期)の見通しは、売上高を前年同期比6〜16%増の209億〜229億ドル、営業利益(損益)をマイナス4億5000万〜プラス5000万ドルと予測した。
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