動いてしゃべるロボットを子どもでも 学習用プログラミング言語「Scratch」が知育ロボット「Romo」と連携
iOS端末が頭脳となるロボット「Romo」と、子ども向けプログラミング学習用言語「Scratch」を連携するアプリが2月下旬にリリースされる。
iOS端末を介して操作するロボット「Romo」と、プログラミング学習用言語「Scratch」を連動するiOSアプリ「Scratch2Romo」が2月下旬に登場する。音や方位、加速度センサーに応じてインタラクティブに動かしたり、合成音声で好きな言葉を発音させたりできる。機能制限のある試用版は無料で、完全版は1500円(税込)。公式サイトでメールアドレスを登録するとリリース時に通知される。
Romoは米Romotiveが開発した知育ロボット。iPhone/iPod touchを“頭脳”とし、アプリで指定したプログラムに従って動かせる。キャタピラで前後左右への移動や方向転換が行え、カメラで色や物体、人の顔を認識したり、Wi-Fiによる遠隔操作やビデオ通話などができる。遊びながら子どもたちのテクノロジーや科学への興味を育むことを目的とした商品だ。日本では昨年からセールス・オンデマンドが販売している。
Scratchは、米マサチューセッツ工科大(MIT)で開発されたプログラミング学習環境。指示ブロックを組み合わせて制御するビジュアルプログラミング言語で、初心者でも簡単に使うことができる。オープンソースで無償提供されており、Windows/Mac/Linux/iPad用の開発環境やブラウザ上で動くWebアプリが用意されている。2月1日現在で登録アカウントは世界530万を超えているが、国内アカウント数は約4万とまだまだ少ない。
MindstormsやKinect、Raspberry Piなど外部デバイスと連携し制御できるのが特徴で、今回のアプリ提供でRomoも加わる。iPhone/iPod touchの内蔵センサーからデータを取得してプログラミングに生かせるので、音に反応して動いたり、「おじぎ」の後に指定したあいさつをしゃべったりするインタラクティブなロボットを作ることができる。
開発者である、「つくる社」の石原淳也さんは自身の子どもにもScratchを使わせており、エンジニアであるバックグラウンドを活かしてボランティアでプログラミング指導にあたっているという。「画面上で動くミニゲームにとどまらず、好きなように動いてしゃべるロボットを子どもが自ら作れるようにすることでさらに可能性を広げたい」と話す。
Scratchのローカライズと国内での普及を進めている阿部和広さん(青山学院大学・津田塾大学 非常勤講師)は、「プログラミング学習は、単に技術の習得が目的ではなく、自己表現や問題解決能力を育む学びの新しい形。Romoと連動することでバーチャルとリアルをつなげる面白さを感じてもらえるのでは」と期待を寄せている。
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