理化学研究所2月10日、「STAP細胞」論文の研究不正行為が認定された件で関係者の処分を発表した。筆頭著者の小保方晴子氏はすでに理研を退職しているが、仮に在籍していた場合の処分として「懲戒解雇相当」としている。
小保方氏が所属していた元理研CDB(発生・再生科学総合研究センター)センター長の竹市雅俊氏(現・多細胞システム形成研究センター特別顧問)は譴責処分。処分を受けて竹市氏は、給与の10分の1(3カ月)を自主返納する。
論文共著者の丹羽仁史・元理研CDB多能性幹細胞研究プロジェクトリーダー(現在は多細胞システム形成研究センター多能性幹細胞研究チームリーダー)は、文書による厳重注意となった。論文共著者で、現在は山梨大学教授の若山照彦元職員は、仮に在籍していた場合の処分として「出勤停止相当」と判断。若山氏は理研の客員を委嘱しているが、これを解除した。
処分を受けて竹市氏は「当時のセンター長として、研究の不正を事前に発見し、不適切な論文の発表を防ぐことができなかった責任を重く受け止めております。懲戒を厳粛に受け止め、今後、研究者コミュニティーの一員として、正しい科学研究の発展のために、より一層の努力を払って参る所存です」というコメントを発表した。
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