MicrosoftとAmazon、IoT版Ubuntu向けAPIリリースへ
Canonicalの軽量版Linux「Ubuntu Core」をクラウドサービスでサポートするMicrosoftとAmazon.comが、Ubuntu Core搭載IoT(モノのインターネット)製品開発のためのAPIをリリースする。
英Canonicalは2月19日(現地時間)、米Microsoftと米Amazon.comがIoT(Internet of Things:モノのインターネット)版Ubuntu「Snappy Ubuntu Core」向けAPIをリリースすると発表した。
MicrosoftはCanonicalの発表文で、「スマートシステムにはデータ保存と解析のためのセキュアなクラウドバックエンドが必要だ。MicrosoftとCanonicalはIoT製品開発者のためにUbuntu Core向けAPIの提供で提携する。この提携により、クラウドと連係するIoT端末の開発を簡易化できるだろう」と語った。
Ubuntu Coreは、Canonicalが昨年12月にβ版を発表したクラウドに最適化した軽量版(snappyな)Linux OSで、Dockerをはじめとするコンテナをサポートする。コンテナ差し替え方法によるアップデートやセキュリティシステム「AppArmor」の採用による安定性と高度なセキュリティが特徴。KVM(Kernel-based Virtual Machine)版の他、Microsoft Azure、Amazon Web Services(AWS)、Google Compute Engineなどで利用できる。
Snappy Ubuntu Coreは、1月20日に発表されたIoT向けのUbuntu Core。ARMv7、x86-64、POWERをサポートし、クラウド上のUbuntu CoreでIoTの開発、管理が可能だ。IoT製品(ドローンやスマートホーム製品、スイッチなど)のメーカーは、Snappy Ubuntu CoreをOSとして採用することで、アプリストア経由の安定したアップデートとセキュリティをユーザーに提供できるとCanonicalは説明している。
同OSを採用するIoT製品としては、スペインErle Robotics製ドローンの「Erle-Copter」や米Ninja Blocksのスマートホームコントローラー「Ninja Sphere」などがある。「Raspberry Pi 2」にも搭載できる。
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