DNAを使い、ナノサイズの“ロボット”を作成することに成功したと独ミュンヘン工科大学のチームが発表した。プログラミングのように作成することができ、動くことも可能な実用的なナノマシンの開発に貢献できるとしている。
「DNAナノロボット」は100ナノメートル超程度の極小サイズ。設計に従い、ロボットが腕を動かしているかのように自ら組み立てられていくようになっている。
DNAを使ってナノレベルの構造体を作る技術は、日本の折り紙になぞらえて「DNA origami」と呼ばれる。「子どもがレゴブロックを組み立てるように」、DNAをナノデバイス組み立てのためのプログラム可能な素材として扱えるようにしたツールキットの開発がポイントで、DNAの塩基の強い結びつきと、比較的弱い別の結びつきを組み合わせることで可能になっているという。
成果は米科学誌「Science」に3月27日付けで掲載された。
関連記事
- 生物を生きたまま電子顕微鏡で観察 真空から守る「ナノスーツ」発明
生物の表面に特殊な化学物質を塗布することで、生きた状態のまま電子顕微鏡で観察する技術が開発された。 - ナノテクでお湯を早く沸かす方法、米大学が発見
多数のナノロッドを鍋の表面にはりつけて、お湯を沸かす効率を大幅に高めるという。 - 分子1つの形と動きを動画撮影 世界初成功
「分子模型を見るがごとくに分子の形の変化を観察する」という研究者の夢が実現。カーボンナノチューブに閉じこめた単分子の形と動きを直接観察し、動画撮影することに東大・JST・産総研が世界で初めて成功した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.