立って歩く巨大なワニの祖先──まだまだ見つかる太古の不思議な生き物たち:週末サイエンス
化石は太古に滅んだ生き物たちの姿をよみがえらせる。最近の発見をいくつか紹介しよう。
古い地層から見つかる化石は、すでに滅んだ不思議な生き物たちが確かにそこに存在していた証拠だ。最近の発見をいくつか紹介しよう。
「カロライナの肉屋」(Carolina Butcher)という学名が付けられたのは、恐竜が地上を支配する前の三畳紀・2億3100万年前の地層から見つかったは虫類。ワニ(クロコダイル)の祖先に当たると見られるが、体長は3メートルほどで、後ろ足で立って歩くことができたとみられる。当時の生態系の頂点に立つ捕食者だったようだ。
アノマロカリスなど、「カンブリア爆発」として知られる奇妙な生物の化石が多数見つかっているカナダ・バージェス頁岩の南から40キロの場所で、新たなカンブリア紀の生物が見つかった。
5億800万年前のこの生物はエビなどと同じ節足動物で、「ヤウニク」(Yawunik kootenayi)と名付けられている。他の動物を食べる捕食者だったようだ。
カンブリア紀よりさらに過去にさかのぼる「エディアカラ動物群」。その中に「ディッキンソニア」という、筋の入った円形の化石が見つかるものがいる。エディアカラ動物群は化石も奇妙なものが多く、詳しい生態などはほとんど分かっていない。ディッキンソニアもその1つだ。
この5億5000万年以上前の化石を分析した米大学チームは、ディッキンソニアは海底に接着してへばりついていたのではなく、海底から離れて動くことができたことが示唆されると報告した。研究者は今後、どうやって動いていたのか、そもそもディッキンソニアの体は何でできていたのか調べたいと話している。
ミャンマーで見つかった1億8000万年前のコハクの中には、60個の卵や幼虫を運んでいた甲虫の1種のメスが封じ込められていた。子どもが大きくなるまで世話をする昆虫の最古の例だという。
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