アダルトサイトの相談件数、年間10万件突破 被害額平均約27万円 女性・高齢者増加
14年度のアダルトサイトに関する相談が10万件を超え、過去最多だったと国民生活センター。「すでにお金を支払ってしまった」という相談が増え、1件当たりの平均支払額は約27万円に上るという。
国民生活センターは4月23日、2014年度に全国の消費生活センターに寄せられた相談のうち、アダルトサイトに関する相談が初めて10万件を超え、過去最多だったと発表した。「すでにお金を支払ってしまった」という相談が増えており、支払い額は1件当たり平均約27万円にのぼるという。
商品・サービス別相談件数で近年、アダルトサイトに関する相談は1位となっており、14年度の相談件数は10万6279件に上った。
当事者は女性や高齢者が増加。男女別では、09年度は女性比率が26.8%だったのに対し、14年度は32.3%に。スマートフォン利用時は38.5%とさらに高くなる傾向があった。年齢別では60歳以上からの相談が21.3%と、09年度の7.6%から大きく増えている。
「お金をすでに支払ってしまった」という相談も増え、14年度は3802件。1件当たりの平均支払い額は約27万円と高額になる傾向もある。
ある30代の女性のケースでは、「有料アダルトサイトの利用料が支払われていない」というメールがスマートフォンに届き、「お金を払えば翌日保険が適用されるので返せる」などと言われ、請求されるがままに25万円、75万円、90万円と立て続けに振り込んだという。
また60代の男性は、タブレット端末で歌手の動画を見ようとしたところ、アダルトサイトに登録されたという画面が表示され、登録料を請求されたという。10代の学生がアダルトサイトで「再生ボタン」をタップすると、カメラのシャッター音がして「有料登録が完了しました。料金は10万円です」という画面が表示された──という例もあった。
同センターは、アダルトサイトは「無料」というキーワードで検索してヒットしても、必ずしも無料とは限らないとして、不用意なアクセスに注意を呼び掛けているる。
また、(1)閲覧中にカメラのシャッター音が聞こえても、サイトからカメラ機能を制御したり撮影した写真を業者に送信したりはできないためあわてる必要はない、(2)料金の請求画面に表示され、「退会はこちら」「誤操作の方はこちら」などのボタンが表示されても押さないこと、(3)これらのボタンを押すと電話やメールで連絡するよう仕向けられるが、業者に連絡しないこと――などとアドバイスしている。
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