京都大学は、教員が生み出した学術論文などの研究成果を原則、同大の学術情報サイト上で公開(オープンアクセス)することを義務付ける「京都大学オープンアクセス方針」を採択した。今年度中に運用を始める予定だ。
方針では、出版社や学会、学内部局などが発行した学術雑誌に掲載された同大教員による研究成果を、「京都大学学術情報リポジトリKURENAI」を通じてネット上で原則公開することを定めた。
KURENAIは2006年に運用開始。教員が自発的に提出した研究教育成果を登録しており、現在では13万件以上の本文データが閲覧できる国内最大規模の機関リポジトリとなっているという。オープンアクセス化により、成果をKURENAIで広く公開し、学術の発展に寄与するとしている。
京大図書館機構長の引原隆士工学部教授によると、研究成果のオープンアクセス化は世界で急速に広がっているが、国内では関心の高い一部の研究者の努力で推進されてきたという。同大は全学方針としてオープンアクセスを採択し、大学としてオープンアクセスを推進する姿勢を明らかにしたとしている。
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