日本の風景を世界へ 写真ライブラリ「iStock」、国内クリエイターを本格的に募集 アマチュアもOK
一般ユーザーから作品を募る写真やイラストの販売プラットフォーム「iStock」が国内本格展開を始める。人物や風景など、日本発コンテンツの拡充に取り組む。
ゲッティ イメージズ ジャパンは5月15日、一般ユーザーによる作品を集めるロイヤリティーフリー写真販売プラットフォーム「iStock」を日本で本格展開していくと発表した。Webサイトや登録フローを完全日本語化し、コンテンツの拡充を目指す。
iStockは17万人を超えるクリエイターが登録する、写真やイラスト、ビデオなどの販売プラットフォーム。iStock限定素材だけで900万点以上が公開されており、ロイヤリティーフリーで購入できる。個人クリエイターや企業はグラフィックや広告、Webサイトなどの制作に利用でき、作品提供者はダウンロード数に応じたフィーが支払われる仕組みだ。
欧米を中心に使われており、現在日本でのクリエイター登録は2000人超。プロ・アマ問わず登録可能で、個人情報やサンプル作品の提出・審査が必要だ。今年1〜3月の国内ダウンロード数は、実数は非公開ながら前年同期から2倍に成長。国内企業の利用増に加え、海外からもアジアや日本に関する素材のニーズは増えているという。
新たに、コンテンツ拡充に向けて日本国内での本格展開をスタート。検索やタグ付け、規約などサービス内の文言だけでなく、スタッフとのやりとりや登録フローも日本語化する。
英語サイトで日本関連コンテンツの人気検索ワードは「東京タワー」「富士山」「東京スカイライン」「渋谷」「原宿」「スクランブル交差点」など。ビジネスシーンや日常生活を捉えた人物写真のニーズも高いという。
iStockでビジュアルリサーチを行うレベッカ・スィフト ディレクターによると、セルフィー(自分撮り)の一般化や、InstagramやSNSの普及で、商材として求められる写真の傾向も変わってきているという。最近のトレンドとして、(1)技術的には完璧ではないが雰囲気のある未完成さ、(2)撮影者の視点が分かる臨場感、(3)色や質感を強調し、感覚に訴えかけるもの、(4)シニアや障害者も含めた、生き生きとした自然な人々の姿――などをあげた。
「ストーリー性があり、パーソナルな視点を感じる作品が好まれる傾向にある。家族と過ごす時間、日常の風景など、自然体の表情や生活の1シーンを捉えるために必要なのは必ずしも技術力ではなく、だからこそ広く一般の写真愛好家の作品を募りたい」(スィフトさん)
ゲッティ イメージズ ジャパンの島本久美子社長は「サービスとしての魅力を伝えるところから、さらに一歩踏み込んで日本発のコンテンツを積極的に発信していく体制が整った。特にアジア圏ではローカルフォトはまだまだ供給が少なく、世界的にニーズは大きい。世界標準の審査体制で、肖像権をはじめとした権利関係をクリアにしつつ、高クオリティの素材を集めていければ」と話している。
関連記事
- ゲッティ イメージズ、非商用での埋め込み画像利用を解禁 3500万以上の写真が利用可能に
メディアやクリエーター向けコンテンツサービスのゲッティ イメージズが、非商用目的のWebサイトやブログ、Twitterなどに無料で画像を埋め込めるサービスを開始した。 - イメージぴったりの写真をオーダーメイド リスエスト型写真サイト「Snapwire」日本語版公開
使いたいモチーフやイメージを伝え、プロの写真家からの投稿を募集できるリクエスト型写真サイト「Snapwire」の日本語版が公開された。 - 「もっと自由に使える素材を」――“やせ我慢”でも無料を貫く写真素材サイト「足成」
完全無料、著作権表記も不要の写真素材サイト「足成」は、8万近い写真素材を公開し、ニュースサイトなど多くの媒体で活用されている。「もっと自由に使える素材を」――そんな思いで無料を貫く。ネットでよく見かけるあのモデル女性にも話を聞いた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.