iPhone 6で使えない原因は「つかめていない」が──格安SIM「mineo」がドコモ回線も導入、「マルチキャリアMVNO」で挽回
KDDI回線の「mineo」がiPhone 6で使えない理由は不明のままだというが、新たにドコモ回線を導入することでカバー。端末に合わせて回線を選べる「マルチキャリアMVNO」をうたい、ユーザー拡大を目指していく。
格安SIM「mineo」を展開するケイ・オプティコムの藤野隆雄社長は、iPhone 6で同SIMを使えないトラブルについて「どこに原因があるかつかめていない」ことを明らかにした。最新iPhoneへの非対応がユーザー獲得にも響いており、新たにNTTドコモ回線による新プランを導入することでiPhoneに対応。さまざまな端末に合わせて回線を選べる点をアピールしていく。
「iOS 8ではmineoサービスが利用できないことを確認した」──同社が「重要」としてユーザー向けに告知したのは、iPhone 6の発売に先駆けてiOSの最新版が公開された昨年9月18日。翌月にはiOS 8で利用できないことを確認したと発表。iOS 8を搭載するiPhone 6/6 Plus(SIMロックフリー版)では同社サービスが利用できないことが確定した。
mineoは、関西電力系の同社が昨年6月、KDDI回線を利用する初のMVNO(仮想移動体通信事業者)としてスタート。近畿圏で光回線サービスを展開してきた同社だが、mineoでは関東エリアのユーザーが約4割に達するなど全国展開も進んでいる。だが、当初掲げた「1年で加入者10万人」という目標に対し、実績は7万強。同社が要因として挙げるのが、MVNO各社による競争激化と、iPhone 6への非対応だ。
藤野社長によると「交渉をして原因を究明している。KDDI側なのか、Apple側なのか、どこに原因があるのかつかめていない段階だ」という。9月に導入するドコモ回線プランについては「iPhoneが使えるのは大きい」と期待し、ユーザーが端末やエリアに合わせて最適な回線を選べる「マルチキャリアMVNO」をアピール。最低利用期間と解約清算金(9500円)も撤廃し、mineoを試したいユーザーを広く呼び込みたい考えだ。
当面はKDDI回線とドコモ回線を採用し、ソフトバンク回線は「次期を見て検討する」という。1枚のSIMカードで最適なキャリアの回線を自動的に選ぶ機能を早期に実現したいとしており、関係官庁などに働きかけていく意向だ。
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