NTT東西の「光卸」、3月末時点でFTTH市場の1%どまり MM総研
MM総研の調査によると、国内のFTTH総加入件数は3月末時点で2665万件。NTT東西による光回線卸は出足が鈍く、シェアは市場全体の1.0%にとどまった。
MM総研が5月27日に発表した国内ブロードバンド回線事業者の加入件数調査によると、3月末時点でのFTTHサービスの総加入件数は2664万7000件と、前年比5.3%増加した。NTT東西による光回線卸は開始が2月以降にずれ込んだこともあり、シェアは市場全体の1.0%にとどまった。
市場全体の年間純増数は13年度比9.5%減少。高速モバイル通信の普及拡大などに伴い、純増数・市場成長率は年々鈍化している。
3月末の事業者別加入件数は、NTT東西合計で1871万6000件。シェアは70.2%と前年度から0.9ポイント減少した。光回線卸の加入件数は、オペレーション体制構築の遅れなどで出足が鈍く、27万件(市場全体の1.0%)にとどまった。うち25万件と9割以上が転用(サービス変更)で、新規需要創出へのインパクトは薄かった。
「auひかり」などを提供するKDDIグループは、光回線と携帯電話のセット割引「auスマートバリュー」で新規獲得と解約抑止を継続。割引額の拡大などでシェアが拡大し、加入件数は348万5000件(シェア13.1%)となった。
関西地域を中心に「eo光」を展開するケイ・オプティコムは、新規顧客向けの割り引きなどで顧客獲得を進め、加入件数は152万8000件(シェア5.7%)に。14年6月に開始したKDDI回線を利用したMVNO「mineo」も堅調で、15年3月末の契約件数は6万件となった。
ISP事業者のFTTH契約数シェアは、OCNが2位以下に大きな差を付けて首位を維持。2位のYahoo!BB(SoftBank光含む)は家電量販店での販売を中心に顧客獲得を進め、シェア拡大が続いている。BIGLOBEはシェア3位を守った。4位のSo-netはマルチキャリア対応で積極的に顧客を獲得し、シェアが拡大した。
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