欧州宇宙機関(ESA)は6月14日(現地時間)、昨年11月に史上初の彗星着陸を果たした着陸機「フィラエ」がバッテリー切れによる休眠状態(ハイバネーション)から復帰したと発表した。
ドイツ・ダルムシュタットのESA管制センターが、フィラエから探査機「ロゼッタ」経由で85秒にわたって送信された300以上のデータパケットを受信した。摂氏マイナス35度で24ワットの出力を確認し、ESAの担当者は「フィラエは準備ができている」とコメントしている。フィラエはまだ8000超のデータパケットをメモリに保存したままだという。
フィラエは探査機「ロゼッタ」から分離し、昨年11月12日にチュリモフ・ゲラシメンコ彗星に着陸。着陸地が計画よりずれた結果、太陽光が十分に当たらず、十分な充電ができなかったため観測機器をシャットダウンしていた。その後、同彗星が太陽に近づいたことで十分な出力が確保できるようになったようだ。
関連記事
- 彗星着陸機フィラエ、バッテリー切れで休眠モードに
彗星着陸機フィラエがバッテリー切れでアイドルモードに入った。充電による観測再開を目指している。 - 彗星の歌声、ロゼッタが聴いていた 不思議な“歌”公開
探査機「ロゼッタ」は、チュリモフ・ゲラシメンコ彗星が発する不思議な“歌”をとらえていた。ESAがその“歌”をSoundCloudで公開している。 - 着陸直前の彗星表面、写真公開 フィラエが撮影
史上初の彗星着陸に成功した着陸機「フィラエ」が、着陸直前に撮影した彗星表面の様子が公開された。 - ようこそ彗星へ フィラエ着陸地の様子、初公開
フィラエの着陸地点の様子を撮影した写真が公開された。 - 人類初の彗星着陸に成功 探査機ロゼッタと着陸機フィラエ
探査機ロゼッタが投下した着陸機フィラエがチュリモフ・ゲラシメンコ彗星への着陸に成功した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.