NTTコム、VPN上でBoxを利用できる「Box over VPN」 セキュリティ強化で官公庁や金融機関にも
NTTコミュニケーションズと米BoxがVPN上で利用できる「Box over VPN」を共同開発。セキュリティを強化し、官公庁や金融機関などに導入を広げる狙い。
NTTコミュニケーションズと米Boxは6月15日、クラウドストレージ「Box」を企業ネットワーク上で使える「Box over VPN」を共同開発し、年内に国内提供を始めると発表した。クラウドサービスながらVPN経由でアクセスできるセキュリティ面を売りに、官公庁や金融機関などに導入を広げる狙いだ。
Boxは、容量無制限のクラウドストレージ機能とファイルの共有・編集機能を備えたサービス。世界370万以上のユーザー、4万7000以上の企業や組織で利用されている。日本でもディー・エヌ・エー(DeNA)やフジテレビジョン、セブン-イレブン・ジャパン、第一三共などが導入している。
NTTコミュニケーションズとの共同開発により、同社が世界196カ国・地域で提供する企業向けネットワーク「Arcstar Universal One」上でBoxが利用できるようになる。VPN環境でのサービス提供は日本では唯一、アジアで初めてだという。
最大の売りはセキュリティ面の強化。インターネット網と完全に切り離されたネットワークで事業所とBoxのデータセンターをつなげ、情報漏えいや盗聴のリスクを減らすという。NTTコミュニケーションズがネットワークとサービス本体を一元管理し、それぞれのトラブルシューティングや保守点検に24時間365日体制で対応する。Office 365やSalesforceなど、他のIaaS/PaaS/SaaS製品との連携もサポートする。
価格は、社外ユーザーライセンスが有償、他SaaS連携が1つまでの「Business」プランが1ユーザーあたり2400円(税別)から、上記2点が無償、無制限でアクセスログなどのセキュリティレポートを発行できる「Enterprise」プランが4980円(税別)から。通常の「Business」プランは1800円(税別)。
NTTコミュニケーションズの庄司哲也副社長は「日本企業にはインターネットへの接続制限や基幹システムとの連携など、厳しいセキュリティポリシーを持つ企業は少なくない」と現状を分析。「これまでグローバルに培ってきた安全な企業向けネットワーク構築のノウハウを元に、医療やヘルスケア、金融期間、自治体や官公庁などより厳しい情報管理が求められる企業にも採用を検討してもらいたい」と狙いを話す。
日本国内向けには、昨年5月に本格提供を始めたBox。アーロン・レヴィCEOは日本市場について「期待以上の成長」と手応えを話す。米国連邦政府にも導されている実績を紹介しつつ、今回のパートナーシップ提携を機にさらに広げていければと期待を寄せる。
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