ニュース
中国“アルファバイヤー”による爆買いで日本はかき回される(2/4 ページ)
春節が過ぎても中国人による爆買いは止まらない。観光客ではない「アルファバイヤー」による爆買いの裏にあるものとは──現地事情に詳しい山谷氏がリポート。
中国人にとって日本は「買い物天国」
今年2月の春節(中国の旧正月)で来日中国人観光客による爆買いが話題になったが、桜の開花シーズンになってもさらに爆買いは収まらなかった。花見シーズンが終われば沈静化するかと思いきや、梅雨時の今も中国人による爆買いの話は珍しくない。
インターネットでも変わりない。淘宝網のほか、LINEのような「微信(Wechat)」や、Twitterのような「微博(Weibo)」、チャットソフト「QQ」などの中国人向けSNSを使った知人への購入依頼はますます増えており、インターネット上の爆買い(=在日中国人による爆買い)も目立つようになった。
今年、中国のネットトレンドで台風の目になっているのが「越境EC」、特に日本の商品のネット購入だ。一昨年には上海に自由貿易区が登場し、今春には淘宝網に迫るECサイト「天猫」(Tmall)と「京東商城」(JD)が日本館を立ち上げたことを始め、様々な越境ECサービスが登場している。
爆買いと越境ECサービスによるPRで、日本の商品は中国のネットユーザーの目につきやすくなっている。中国ではまだまだ所得と物価が上昇している上、円安も追い風。中国人にとって日本はますます買い物天国になっていくというわけだ。
ネットで悪評を流し、売りたいものに誘導するものも
では中国で日本の商品が注目され、指名買いされるようになればハッピーなのかというと、そうとは限らない。そこには中国人バイヤーの欲望が絡んでくる。
関連記事
- 「日本製炊飯器と温水洗浄便座が大人気」だが、うかうかしていられない 中国ユーザーの意識と、追い上げる中国メーカー
春節に訪日した中国人観光客が日本製品を“爆買い”したことは記憶に新しい。電気製品では白物家電は人気だったが、デジタル家電は今ひとつ。ただ、白物家電でも中国勢が追い上げてきている──山谷氏によるリポート。 - 中国当局のネット締め付けが加速する2014年──香港デモきっかけにさらに強化
学生や市民が民主化を求めて続いている香港デモ。中国本土では中国政府に都合のいい報道ばかりが流れ、中国のネットユーザーが香港の実情を知ることは難しいという。今年は中国政府がネット規制を強めている──山谷氏による現地からのリポート。 - 「ニセiPhone」は卒業、「世界初」スマホ競争へ 「中国メーカーは悪くない」変わる意識
「iPhone 6S」も登場する中国だが、ニセモノに以前ほどの勢いはなく、躍進する中国メーカーからは数々の「世界初」端末が登場している。中国メーカー製端末は「悪くない」と中国人にも受け入れられてきている──山谷氏による現地からのリポート。 - Windows 8を禁止した中国政府──その背景と、中国産OSの現状は
中国政府が政府内でのWindows 8の使用禁止を通達。国内の反応は芳しくないが、その背景と、代替になりそうな中国OSの現状は。現地の事情に詳しい山谷氏のリポート。 - かっこよく、安く、限定販売──中国の国民的スマホになった「小米」(Xiaomi)のプロモーション術
たった12時間で130万台・約240億円を売り上げるスマートフォンがある。日本でもその名を知る人が増えてきた中国メーカー「小米」(Xiaomi)。端末の魅力もさることながら、そのプロモーション方法も人気を押し上げる要因だった。山谷氏による現地からのリポート。 - 売れる「嫌中本」? かたや中国はそんな日本をどう見ているのか──その4つのタイプ
日本の「反中反韓本」ブームが論議を呼んでいるが、こうした日本の動きを中国人はどう見ているのだろう。中国人の日本に対する態度には4つのタイプがある──現地の事情に詳しい山谷氏のリポート。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.