楽天、独自アプリストアに参入 「楽天アプリ市場」 開発者収入75%、ユーザーに10%ポイント還元
Android向けアプリストア「楽天アプリ市場」がスタート。手数料を抑えて開発者の収入を増やしつつ、ユーザーにはポイントを還元する。
楽天は8月19日、独自のAndroidアプリストア「楽天アプリ市場」をオープンした。開始時点で独占・先行配信を含む約180社390アプリをそろえ、今後ラインアップは拡充。開発者とユーザーに収益の多くを還元するのを売りに、グローバル展開も見据えたアプリの販売チャネルとして育て、“楽天経済圏”の拡大を目指す。
ゲームや占いなどエンターテインメント系、子ども・幼児向けの知育系、ライフスタイルなど各種アプリをそろえる。有料アプリの購入やアプリ内における課金に「楽天スーパーポイント」を使用でき、利用額に応じてポイントもたまる。
最大の特徴は販売手数料。楽天側の取り分は15%に抑え、加えて10%を購入者に「楽天スーパーポイント」として還元。開発者の収入は75%と、Google Playの70%より多くなっている。開発者にはより多くの収益を、購入者にとってはよりお得に――とアピールする。
スマートフォンアプリを介したウイルスやマルウェアの被害が増えていることを受け、セキュリティ対策にも力を入れる。
トレンドマイクロが協力し、新規登録時と更新時に全てのアプリにセキュリティ評価を実施。静的なコード部分、動的な挙動やサーバへのアクセスなどを多角的に分析し、同社が蓄積している世界各国での不正アプリ情報とも照らし合わせ、安全なアプリのみを配信する。端末全体を守るべく、月に1度全てのアプリをスキャンし、安全性をチェックする「不正アプリ対策」機能も搭載する。
楽天の各サービスとは「楽天スーパーポイント」で連動し、ショッピングでためたポイントをアプリ購入で使える。オンラインキャンペーンだけでなく、リアルイベントなどオフラインを絡めた施策も検討する。10月に始めたMVNO「楽天モバイル」の全端末へのプリインストールも予定している。
まず国内の開発会社、ユーザーをターゲットに事業を展開し、国産アプリ市場として一定のシェアの獲得を目標に掲げる。事業を統括する栗原祐一郎アプリ市場事業部長は「Google Playとはタイトルラインアップで差別化していきたい。各社と協力し、先行・独占配信などをどれだけ充実させていけるか」と意気込む。
島田亨副社長は「ポイントを利用できることで、楽天会員に多い主婦層をはじめ、これまでなかなか有料アプリを購入するチャンスが少なかった人にも裾野が広がるのでは」と1億人を超える会員基盤を抱える強みを話す。マーケットとして販売を促進するだけでなく、これまで培ってきたノウハウを活用した開発者向け支援も行っていくという。
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