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東京五輪エンブレム使用中止 佐野氏が取り下げ申し出 「模倣ではないが、国民の支援がない中使い続けるのは困難」(1/2 ページ)

佐野研二郎さんがデザインした東京五輪のエンブレムの使用中止が決定。他のデザインの模倣ではないとしながらも、「国民の支援がないエンブレムを使い続けることは困難」と判断。佐野さんから取り下げの申し出を受け、組織委と合意した。[update]

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 アートディレクターの佐野研二郎さんがデザインした2020年東京オリンピックのエンブレムについて、大会組織委員会は9月1日、使用を中止すると発表した。類似が指摘されていたベルギーのリエージュ劇場のロゴなどとは「似ていない」と改めて強調したが、「国民の支援がないエンブレムを使い続けることは困難」と判断。佐野さんから「取り下げたい」との申し出を受け、組織委と合意したという。


画像 取り下げが決まったエンブレム
画像 エンブレム(左)とリエージュ劇場のロゴ(リエージュ劇場のロゴをデザインしたデザイン事務所の公式Facebookより)

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1日午後に会見した組織委の武藤事務総長

 エンブレムをめぐっては、リエージュ劇場とベルギーのデザイナーが使用差し止めを求めて国際オリンピック委員会(IOC)を提訴していた。組織委は、リエージュ劇場のロゴとエンブレムは「はっきりと違う」(組織委の武藤敏郎事務総長)と判断。8月28日の記者会見でデザインの原案を示して説明した。その判断は今も変わっていないという。

 一方で、佐野さんが制作した、エンブレムの使用例を示した「展開例」の画像の一部が、ネット上で第三者が公開している写真と酷似していると、28日の記者会見以降にネットユーザーが指摘。指摘を受け、組織委が佐野さんに聞き取りを行ったところ、「展開例の画像は、エンブレム応募時に審査委員会の内部資料用に作ったが、公になる際は権利者の了解を得るべきだった。それを怠った」と話し、権利者の了解なしに写真を流用したことを認めたという。佐野さんは写真の権利者と連絡を取るなど、対応を進めているという。

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佐野さんが制作した「展開例」の画像

画像画像画像 展開例に無断利用されたとみられる画像。左から個人ブログの画像、音楽フェスティバル「tomorrowland」のWebサイトの画像、別の個人ブログの画像

 また、組織委が28日に公開したエンブレムの原案が、2013年に開かれた展覧会「ヤン・チヒョルト展」のポスターと似ているという指摘もあった。佐野さんは同展を見に行ったことを認めたが、「ポスターがどういうものだったか記憶ににない」と話したという。

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