“かわいい”を感じると注意力アップ? 3年前の研究がネットで話題に
広島大学が3年前に発表した「幼い動物の“かわいい”写真を見ると、注意力が向上する」との研究結果が今になってネットで話題になっている。
子犬や子猫のかわいい写真を見ると注意力がアップする──広島大学が3年前に発表した研究結果が今になってネットで話題になっている。“かわいい”を感じると細部に集中し、注意力が向上するという内容で、運転中の事故防止やオフィスの生産性向上に役立つ可能性があるという。ネットでは「オフィスの机の上に好きなものを置いてもいいんだ」などと喜びの声も。
広島大学大学院総合科学研究科の入戸野宏准教授らは、同大学の学生132人を対象に実験を実施した。手先の器用さが必要な課題と、数列から数字を探し出す課題をこなしてもらう内容だ。
課題の実施前に、幼い動物(子犬や子猫)の写真7枚を好きな順に入れ替えるという作業を1分半にわたってしてもらったところ、写真を見る前に比べ、課題の成績が器用さの課題で44%、数列の課題で16%向上したしたという。
ただし、幼くない猫と犬の写真を並び替えた学生では成績は向上せず、おいしそうな食べ物の写真でも効果はなかったという。
人間は対象の細部より全体について注意を向け、何かを見る場合には全体的な特徴について素早く処理をする傾向がある。だが、かわいい写真を見ると「対象に接近して詳しく知ろうとする」ため、細部に注意を集中する効果が生じたと考えられるという。
成果はオンライン科学誌「PLOS ONE」に「The Power of Kawaii」(「かわいい」の力)として掲載された。
3年前の研究に突然注目が集まった理由はよく分からないが、ネットユーザーの“かわいいもの”への関心の高さを裏付ける結果となった。入戸野准教授は「かわいい」について詳しく研究を進めている。
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