定額制ビジネス支援のZuoraが日本法人設立 「あらゆる業界にサブスクリプションモデルを」
サブスクリプションビジネス向け顧客管理クラウドサービスを提供する米Zuoraが日本法人を設立。欧米で培ったノウハウを基に市場拡大を目指す。
サブスクリプションビジネス向けクラウドサービスを提供する米Zuoraは9月29日、日本法人「Zuora Japan」を設立したと発表した。音楽や映像、教育分野など、業種を問わずにシステムを提供。サブスクリプションビジネス市場全体を広げていきたいという。
Zuoraは、ユーザーが利用期間に応じて料金を支払う「サブスクリプションビジネス」のシステム基盤をSaaS型で提供する企業。サービスの価格設定や決済機能、月々の請求管理、指標分析といった機能をワンストップで法人向けに提供する。
近年、音楽や映像の定額制ストリーミングサービスをはじめ、サブスクリプションモデルを採用するビジネスが増えつつある。米国本社のティエン・ツォCEOは「あらゆる業界で“所有から利用へ”の流れは進んでおり、個々のユーザーに最適化された最新サービスを利用できる快適さが当たり前になっていく。日本でも確実に加速していくはず」と期待を寄せる。
2007年設立の同社は現在、欧米企業を中心に700社以上にシステムを提供しているという。日本でもこれらのノウハウを基に、音楽や映像などのエンターテインメント分野、受験勉強や英会話などの教育分野、IoT(Internet of Things)サービス提供企業や製造業――など、さまざまな業種に向けてサブスクリプション型ビジネスを啓蒙していく。
日本独自の戦略として、2016年4月の電力小売り全面自由化によって700社以上の新規参入が見込まれる電力業界向けソリューションの提供に注力。Web申し込みから契約管理、売り上げ計上、データ分析といった一連のシステムを、米salesforce.comのCRMサービスや電子署名サービス「Docusign」と組み合わせたサービスパッケージとして提供する。
日本法人の桑野順一郎社長は「すでにサブスクリプションモデルに取り組んでいる企業でも、会員情報はExcelシートで管理しているなど、従来の製品販売と異なるビジネスプロセス管理にとまどっている企業も多い。Zuoraのソリューションへのニーズは大きい」と期待を寄せる。
既存事業者だけでなく、新規事業としてサブスクリプションビジネスへの参入を検討する企業向けサポートも実施し、市場全体の拡大に取り組む構え。「早期に国内50社の導入、売り上げ5〜10億円を目指す」(桑野社長)としている。
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