ハロウィンの10月31日、直径数百メートルの小惑星が地球の側を通過する。最接近時の地球からの距離は約50万キロと、宇宙のスケールでは“すぐ近く”だが、米航空宇宙局(NASA)は地球に衝突する可能性はないとしている。
NASAジェット推進研究所(JPL)によると、アポロ型小惑星「2015 TB145」は10月10日に発見された。接近時の速度は秒速35キロと「非常」。かなり風変わりな軌道をたどっているようだ。
最接近時の地球との距離は地球−月間の距離(約38万キロ)の1.3倍(0.00326天文単位)。2027年8月に約38万キロにまで近づく小惑星「1999 AN10」に次ぐ近さだという。
米国では10月31日の夜明け前に10等の明るさで観測できる可能性がある。「今年最良のレーダー観測の対象」だとして、電波望遠鏡による観測も行われる計画だ。
29日に近づく小惑星「2009 FD」の情報も公開されている。こちらは地球に約620万キロまで近づくという。
「小惑星が地球に衝突する」といううわさは定期的に飛び交うが、NASAはそのたびに丁寧に否定している。
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