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重力レンズで笑う宇宙の猫 一般相対論100年 NASAが写真公開
アインシュタインによる一般相対論の発表から100年。NASAが公開した写真は、重力レンズでにんまりと笑う宇宙のチェシャ猫だ。
アインシュタインによる一般相対性理論の発表から今月でちょうど100年を迎える。米航空宇宙局(NASA)はこのほど、一般相対論が示した「重力レンズ」効果がよく分かる宇宙の「チェシャ猫」の写真を公開した。
チェシャ猫は、不思議の国のアリスに登場する猫。写真はおおぐま座の方向に46億光年離れたところにある銀河団で、2つの銀河とアーチ状の光が笑う猫のように見えることからこのニックネームが付いた。NASAは「不思議の国のアリスとアインシュタインが出会うところ」と記している。
写真はハッブル宇宙望遠鏡による通常の光学観測写真とチャンドラX線観測衛星が撮影したX線写真(紫色の部分)を合成したもの。猫の目に当たる2つの銀河を取り囲むように見えるアーチ状の像は、手前の銀河の巨大な質量による重力で、背後にある4つの銀河の光が曲げられる「重力レンズ」効果で生じた像だ。
一般相対性理論では、巨大な質量は時空を大きく歪ませ、光がその歪んだ時空を通過するとことでレンズのように曲がると考えられた。これが重力レンズで、1979年、2つの隣接する像を持つクエーサーが同じスペクトルだったことが分かったことで初めて確認された。
チェシャ猫の重力レンズの原因になっている質量の多くはダークマター(暗黒物質)だと計算されている。2つの銀河は10億年後に合体し、1つの大きな銀河と小銀河に分かれるだろうという。
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